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Spurling's Test(スパーリングテスト) -ジャクソンテストとの比較・陽性基準・感度・特異度-

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Spurling's Test(スパーリングテスト)は頚椎のテストです。頚椎のテストは他のテストと併用して用いられることが多いので、今回はスパーリングテストに絞って陽性基準・感度・特異度を中心にお伝えしていきたいと思います。

 

 

Spurling's Test(スパーリングテスト)とは?

スパーリングテストは頚椎の神経根障害(Cervical Radiculopathy)の有無を評価するものです(Myelopathyと混合しないように)。スパーリングテストでは検者が頚椎の神経根の部分に負荷をかけ、症状の再現を確認することで評価するテストです。ジャクソンテストなど神経根障害のテストは他にもあるので、混合しないようにする必要があります。

 

 

方法

やり方

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患者は座位の姿勢をとり、検者は患者の体を支えるため健側の肩に手を置きます(置かない方法もあります)。患者は自動にて頚椎を伸展、患側(検側)に側屈します。この状態から検者は患者の頭頂部にもう一方の手を置き、垂直に圧を加えます。ちなみにジャクソンテストは側屈や回旋を加えずに頚椎を伸展した状態で頭頂部より圧迫を加える方法です。

※別法として頚椎の健側への回旋を加えて行う方法もあります。 

注意点

頭部への圧迫ですが、頭部の重さ(7kg前後)以上に圧迫を加えるのは危険です。また、負荷も徐々に加えていくようにしましょう。このテストは症状の悪化も引き起こしかねないテストなので、注意が必要です。

 

陽性基準

検者が圧迫を加えた時、患者が痺れや頸部から抹消にかけての疼痛といった症状の再現が起きれば陽性。頚椎の神経根障害が疑われます。

 

 

エビデンス

ジャクソンテストは論文数が少なく、海外では頚椎の神経根障害のテストではあまり名が上がりません。一方スパーリングテストは、論文数も多く、データもたくさんあります。ただし、下記のように、特異度は十分高いのですが感度が低いため、頚椎の神経根障害を除外(rule out)することが、スパーリングテスト単独では難しくなります。そのため、近年ではRobert Wainner医師が提唱している4つのテスト(スパーリングテスト、ULTT、牽引テスト、頚椎回旋テスト)を併用する方法が主流になってきています。この4つのテスト全てが陽性であれば、神経根障害の可能性が90%、3つ陽性であれば65%という報告*1もあります。

※ULTT:同じく頚椎の神経根障害の評価テストで、抹消での神経の滑走などを評価する

牽引テスト:神経根の圧迫を取り除き、症状が改善されるかを評価するテスト

頚椎回旋テスト:C1-2間の回旋可動域と疼痛を確認するテスト

 

感度:50%

特異度:85-88%

LR+:3.5

LR−:0.58

kappa:0.60*2

感度・特異度に関してはこちら

dog.training-univ.com

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参考文献

*1:Wainner, R. S., Fritz, J. M., Irrgang, J. J., Boninger, M. L., Delitto, A., & Allison, S. (2003). Reliability and diagnostic accuracy of the clinical examination and patient self-report measures for cervical radiculopathy. Spine28(1), 52–62. https://doi.org/10.1097/00007632-200301010-00014

*2:Flynn TW, Cleland JA, Whitman JM(2008). Users' Guide to the Musculoskeletal Examination. Buckner: Evidence in Motion