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Kemp's Test(ケンプテスト)-ケンプ徴候とは・やり方とエビデンス-

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Kemp's Test(ケンプテスト)は腰部のスペシャルテストの1つで、主に椎間関節や神経根の部分を評価するテストです。ケンプ徴候といった言葉を聞いたことがあるかもしれません。知名度が高いテストですが、細かいやり方やエビデンスの部分まで知っている人は少ないかもしれません。そこで今回はケンプテストについてお伝えしていきたいと思います。

 

 

 

Kemp's Test(ケンプテスト)とは

別名Lumbar Quadrant testとも呼ばれるテストで、腰椎の椎間関節を評価するテストになります。椎間関節は体重の負荷を支えるのに重要な役割を果たします。特に脊椎の屈曲、伸展、回旋時に後方にずれる負荷が掛かります。椎間関節は滑膜、硝子軟骨、関節包で構成されており、腰椎の椎間関節には半月板が存在します。このテストではその椎間関節に対して圧迫を加えることで負荷を掛け、疼痛の誘発の有無によって評価するテストになります。そのため、腰椎分離症やすべり症の方も陽性になってしまうこともあります。

 

 

方法

[立位]

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1.患者は立位にて胸の前で腕を組み、セラピストは患者の後方に立ちます。

2.セラピストは片方の手で検側と反対側の寛骨を支持します。

3.セラピストはもう片方の手で体幹伸展・検側に側屈回旋を誘導します。

4.3の姿勢を3秒間維持します。

図のように患者を抱え込むような方法の方がしっかりと誘導できますし、椎間関節に負荷を掛けられますが、異性の患者など難しい場合は抱え込まずに誘導しても大丈夫です。

 

[座位]

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1.患者は座位にて、セラピストは患者の後方に立ちます。

2.セラピストは片方の手で仙骨あたりを支持します。

3.セラピストはもう片方の手で体幹屈曲・検側に側屈回旋を誘導します。

4.症状がなければ側屈回旋は維持したまま伸展方向に誘導します。

5.症状がまだ出ないのであれば検側の肩を上から押して椎間関節に負荷を掛けます。

 

ケンプテストは立位の方法と座位の方法があります。どちらでも構いませんが、座位の方が筋がより弛緩した状態で行えるので、行いやすいかもしれません。この時に腰部もしくは検側の下肢に疼痛、痺れ、神経痛などを訴えたら陽性です。腰部の疼痛を訴えた場合、椎間関節の問題(Facet syndrome)を疑い、神経症状が出た場合、神経障害(Radiculopathy)を疑います。神経症状が膝よりも下に出た場合、椎間関節由来の神経根障害を疑います。そしてこの神経症状のことをケンプ徴候と言います

 

 

エビデンス

感度:70%

特異度:不明*1 

このテストは腰椎が変性している患者に対しては重症度の判断に用いやすいテストであり、症状を誘発しやすいので、よく行われているテストでもあります。また、脊椎管狭窄症を持っている患者は持っていない患者と比べこのテストで症状を訴える人が多いという報告もあります。しかし、このテストの正確性(Accuracy)は低く、このテストだけで判断できる可能性は低いので、そのほかのテストと比較する必要はありそうです*2

 

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参考文献

*1:Lyle, M. A., Manes, S., McGuinness, M., Ziaei, S., & Iversen, M. D. (2005). Relationship of physical examination findings and self-reported symptom severity and physical function in patients with degenerative lumbar conditions. Physical therapy85(2), 120–133.

*2:Stuber, K., Lerede, C., Kristmanson, K., Sajko, S., & Bruno, P. (2014). The diagnostic accuracy of the Kemp's test: a systematic review. The Journal of the Canadian Chiropractic Association58(3), 258–267.