二刀流トレーナーの海外医科学図書館

二刀流【メディカル(診断・治療・リハビリ)とストレングス(トレーニング・栄養)】に渡るジェネラリストへ

理学療法ガイドライン -頸部のスクリーニング-

f:id:dogknt:20200114011601p:plain

今回は頸部のスクリーニングについてお伝えしていきたいと思います。

頸部痛にはグレードI〜Ⅳまであり、オランダ理学療法士協会のガイドラインが示すものではグレードⅣがRed Flagとなり、患者さんを医師に送る必要があります。

 

 

グレードの分類

グレードI

首の痛みと、主要な構造病理を示唆する兆候や症状がなく、日常生活の活動への影響がないか、わずかな干渉を伴うもの

グレードII

首の痛みと、主要な構造的病理を示す兆候や症状のないが、日常の活動に大きく影響するもの

グレードIII

首の痛みと、主要な構造病理を示す兆候または症状はないが、腱反射の低下、筋肉の衰弱、または上肢の感覚障害(知覚鈍麻または知覚過敏)などの頸椎椎間板ヘルニアまたは脊髄狭窄によって引き起こされる可能性のある神経学的症状を伴うもの

グレードIV

深刻な構造病理を示す兆候または症状を伴う首の痛み。主要な構造病理には骨折、脊椎脱臼、脊髄損傷、感染、新生物、または炎症性関節症を含む全身性疾患を指します

 

Red Flag

最初の診察では、症状とRed Flagのパターンに基づいて、理学療法士重度の病態(グレードIVの首の痛み)を除外しなければなりません。グレードIVの首の痛みが除外できたら、理学療法士はグレードI、II、およびIIIの首の痛みを区別し、それに応じて治療する必要があります。


特定の深刻な病態を示唆するRed Flag(グレードIVの首の痛み)

骨折

高齢、外傷の既往歴、ステロイドの使用、骨粗鬆症(既往歴も含む)

頸動脈機能障害

めまい、複視、吐き気、嘔吐、手足の脱力などの脳血管症状

脊髄または頸部ミオパシーの損傷

感覚障害、四肢の筋力低下、腸および膀胱の機能障害など、腕および/または両足の広範な神経症状を含む神経症

感染症(尿路感染症または皮膚感染症を含む)

感染の症状と徴候(例:発熱、寝汗)、感染の危険因子(例:免疫抑制剤、開放創、静脈内薬物使用、感染症の既往歴)

腫瘍

癌の既往歴がある、4週間の治療後の症状の改善なし(最初グレードⅢと判断し治療した場合)、原因不明の体重減少、50歳を超える年齢、嚥下障害、頭痛、嘔吐

全身性疾患(帯状疱疹、強直性脊椎炎、炎症性関節炎、関節リウマチ)

頭痛、発熱、片側性皮膚発疹、熱痛、かゆみ

 

グレードⅢの症状

上記にあるようなRed Flagに引っかからず、理学療法士が治療介入すると判断した時、それぞれ治療プログラムが異なって来るので、まずはグレードⅠ、Ⅱ、Ⅲの識別を行わなければなりません。特にグレードⅡとⅢの識別はしっかりする必要があります。なぜなら、グレードⅢは神経症状がありますが、グレードⅡ以下ではないという違いがあるからです。

頸部神経根障害を示唆する1つ以上の兆候と症状(下記参照)があり、Spurlingのテストおよび/または牽引/伸延テストが陽性である場合、グレードIIIを示唆します。

症状

・知覚異常(異常な感覚:通常、チクチクする感覚または棘/針の感覚)などの腕の感覚症状、しびれ、触覚の低下
・頸部の可動範囲が制限されており、60度未満の回転または限られた痛みを伴う回転として定義されています
・放散痛
・腱反射、筋力低下、または感覚障害の軽減

グレードIIIの首の痛みの確認

Spurlingテストの陽性、および/またはトラクション/ディストラクションテストが陽性

グレードIIIの首の痛みの除外

上腕神経叢および正中神経伸長テスト(ULTT)

 

いかがでしたか?

頸部痛を訴える患者さんは少なくないので、正確にスクリーニングをする能力を身につける必要があります。