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治療する前にまず針治療の副作用を把握しておこう!-鍼灸におけるリスク管理-

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近年、通常の鍼灸だけに留まらず美容鍼灸など様々な針治療が流行しておりますが、 針を使用する以上、副作用やリスクなどは少なからずあります。治療する側はもちろんこのリスクを知っておくべきなのは間違いありません。そこで今回は針治療における副作用・鍼灸のリスクについてお伝えしていこうと思います。

 

鍼灸の治療を行った後に副作用として発症するもの、もしくはその人の体質や健康状態によって発症するものと様々ではありますが、ここでは主な症状についてお伝えしていきます。

 

 

失神

針治療をした後、主に低血圧の人が起きやすいのが失神です。失神は重篤な副作用の1つで、起こることは少ないですが、注意が必要な疾患の1つです。

 

症状

めまい

動悸

呼吸困難

多汗症

吐き気・嘔吐

四肢の冷え

失禁

脈の消失

 

要因

体力低下、衰弱状態

過敏な体質

治療中の不適切な姿勢

過度なマニピュレーション(針刺激)

過度な不安などの心理的要因

 

マネージメント・対応

失神が生じた場合、以下の対応を行います。

患者を落ち着かせる

針の刺入を止め、直ちに抜く

患者を背臥位に寝かせ、頭部を体に対してやや低い位置におろす

患者の体温を下げないように部屋を温かくする

暖かい飲みもの、できれば砂糖の入った飲み物を提供する

 

また、失神を起こさせないための予防策として以下の事に注意する必要があります。

正しい姿勢にて治療を行う

針の刺入は優しく行う

患者が空腹、疲労、喉の乾きがある状態で針治療は行わない

 

 

血腫

症状

皮膚内に血腫が視認でき、腫脹や疼痛を伴う

 

要因

皮膚と筋の障害(impairment)

血管の障害

 

マネージメント・対応

血腫が出現した24時間以内では部分に2-5分間ほど冷却を行う

血腫が出現した24時間後以降は温める

 

予防策としては以下の方法が考えられます

血管に針を刺入しない

出血が容易に起こりやすいところでは針を抜いた後にコットンなどで2-5分間圧迫する

thrombocytopenia(血小板減少している状態)の人に対しては細心の注意を払う

 

 

内臓損傷

内臓損傷は針を深くまで刺入した場合に起こる障害で、肺を刺入した場合に起こる気胸などが主な疾患です。鍼灸によって損傷する可能性のある内臓は肺、肝臓、脾臓が挙げられます。

 

症状

気胸:胸腔内に空気が入り込んでしまう疾患で、胸部の疼痛、動悸、呼吸困難、頻脈、チアノーゼなどが挙げられます。

肝臓・脾臓損傷:内部出血、対象の臓器付近の疼痛(背部に派生する場合がある)、腹痛などが挙げられます。

腎臓・膀胱損傷:背部痛、腎臓付近の圧痛、血尿、腹腔内の違和感

 

要因

これらの臓器の損傷は針そのものであることが多く、鍼灸によって臓器に刺入してしまった場合がほどんどになります。そのため、胸部、背部、鎖骨付近に刺入する場合は注意が必要です。

 

マネージメント・対応

内臓の損傷に関しては針を速やかに抜き、病院に搬送しなければなりません。救急隊員が到着するまでは常に患者を観察し、必要であれば、救急処置を行います。予防策としては、針を刺入する際、注意するのは勿論、長時間放置することも危険なので、適切な深さ、時間にて治療を行う必要があります。また、その人が臓器が肥大する疾患を持っていないかを確認しておく。

 

 

脊髄・脳神経損傷

症状

中枢神経が損傷するため、めまい、頭痛、吐き気や嘔吐、意識障害、四肢への痺れるような放散痛、一時的な片麻痺といった神経症状を中心に生じます。その他に燃えるような疼痛や感覚低下、筋出力低下などがあります。

 

要因

内臓損傷と同じく、針の刺入によって生じることが多いため、中枢神経付近を刺入する場合は気をつける必要があります。念のため、危険性の高い経絡の点は以下の通りになります。

啞門、風府、風池、大椎

 

マネージメント・対応

ベッド上で寝かせ、救急隊員が車で観察下におかせます。必要であれば、救急処置を行います。片麻痺など重篤神経症状があれば病院に搬送します。

 

 

針治療・鍼灸の適応外のコンディショニング

鍼灸治療を行う前に以下の患者に対しては治療は行わない、もしくは最新の注意を払う必要があります。

痩せ細っている・やつれている

出血が多い

大量発汗

重い下痢

出産時での多量出血

 

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