今回は頭頸部損傷のスクリーニングテストについてお伝えしていきます。
San Francisco Syncope Rule
しかしこれらはある程度施設の整った病院等でないと評価できないので、スポーツ現場などでは不向きかもしれません
The Canadian C-spine Rule
2010年に論文で書かれていたThe Canadian C-spine rule(CCR)についてお伝えしていきます。
ステップ1 高リスク要因
ここでは陽性の場合、頚椎に異常が疑われる項目になります。
ステップ2 低リスク要因
ステップ3 頸椎の可動性
The Canadian C-spine rule for radiography in alert and stable trauma patients. - PubMed - NCBI
Canadian CT Head Rule
続いては頭部に関するスクリーニングテストで、CTを撮る必要があるかどうかをスクリーニングする評価方法です。通常、X線などで異常が疑われた場合、CTを撮影しますが、それ以外の指標としてこのスクリーニングテストがあります。
このスクリーニングテストの対象になるのが、
・軽度の頭部外傷で、明らかな健忘症もしくは見当識障害が見られる
・GCS 13以上
・受傷後24時間以内
となります。
反対に、対象にならないのが、
・外傷ではない場合
・GCS13未満
・16歳未満
・止血機能の障害、出血性疾患があるもしくは経口抗凝固薬を服用している
・不安定なバイタルサイン
・妊娠中
・明らかな開放、陥没骨折
となります。
ステップ1 外科的手術を視野に入れる高リスク
これらの項目に1つでも当てはまればCT撮影を行う必要があります。これらの項目はリスクが高く、手術を視野に入れるため、CT撮影を行う必要があります。
※頭蓋底骨折の所見とは、鼓室内出血、パンダの目徴候、脳脊髄液が体外に漏れる、Battle徴候のことを指す。
ステップ2 中等度リスク
これらの項目に1つでも当てはまればCT撮影を行う必要があります。
The New Orleans Rule
最後にもう1つ頭部のスクリーニングテストをお伝えします。
対象は軽度頭部外傷受傷者で、GCSが15の人です。
これらの項目のうち、1つでも当てはまればCT撮影を行う必要があります。
このテストは簡単なので、重宝されるかと思われがちですが、Canadian CT Head Ruleと比較した論文では、感度は2つとも95%と高いのですが、特異度はCanadian CT Head Ruleが50.6%なのに対し、The NewOrleans Ruleは12.7%と低い値となっております。
また、k値も0.85 vs 0.47なので、The New Orleans Ruleの信用度は高くはないようです。
いかがでしたか?
なんとなく頭頚部外傷を判断されている方もいらっしゃるかと思いますが、他のテストとも合わせて、しっかりとスクリーニングしていく必要があるように思います。