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遅発性筋痛(DOMS)に対する鍼灸の効果

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今回は遅発性筋痛(Delayed-onset muscle soreness: DOMS)に対する鍼灸の効果について最新の所見をお伝えしていければと思います。

 

最新といっても、鍼灸のDOMSに対する効果を述べている最も新しい論文が2015年で、あまり研究が進んでいないように思いますが。

 

最初の論文は2008年のEffects of Acupuncture on Symptoms and Muscle Function in Delayed-Onset Muscle Sorenessになります。

 

これは2008年の論文で、非利き手側の肘の屈筋群のDOMSに対して鍼灸治療群、ダミー群、コントロール群に別れて介入した論文になります。

使用した針は0.30×30mmのものになり、刺した場所は陽陵泉、天府、曲池、血海、阿是穴(腱部分)になります。刺していた時間は15分になります。

治療はDOMSが発生直後、24時間後、48時間後に行われました。

それぞれの群に対してVAS(visual analogue scale)、MPT(mechanical pain threshold)、MIVF(maximum isometric voluntary force)の3項目を実験前、治療介入前後、DOMS発生後72時間に測定しました。

結果は、DOMS発生後72時間において、鍼灸群とその他2つの群との間でそれぞれVASが有意な差が見られました。しかし、MPTとMIVFにおいては各群と間で有意な差は見られませんでした

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まとめると、主観的な疼痛指標は軽減が期待できそうですが、実際に器質的な部分では軽減が見られなかったことから鍼灸のDOMSに対する効果はまだまだ検討が必要であると言えそうです。

 

 

続いての論文はNo Effect of Acupuncture in the Relief of Delayed-Onset Muscle Soreness: Results of a Randomized Controlled Trialという論文です。

 

この論文では計60名の被験者を対象に、上腕二頭筋のDOMSに対して鍼治療、レーザー治療、ダミー針、ダミー針とレーザー治療、コントロール群に別れて行われています。これらの治療はDOMSが発生直後、発生後24時間と48時間に行われました。使用した針は0.30×30mmのもので刺した場所は陽陵泉、天府、尺澤、合谷、曲池、血海、阿是穴(二頭筋と三角筋の交差している部分)になります。

 

それぞれの群に対してPPT(pressure pain threshold)、VAS、MIVFの3項目を実験前、DOMS発生後24時間、48時間、72時間に実施しました。

この論文ではこれらのすべての検査項目にて各群間の有意な差が見られませんでした。つまり、鍼灸治療によってDOMSの改善は見られなかったということです。

 

これらの2つの論文を踏まえてもDOMS に対する鍼灸の効果を示すエビデンスは少ないことがわかります。

 

とにかく今後の追加研究が必要であると言えるでしょう。

いかがでしたか?
DOMSに関する鍼灸の情報は少ないので、今後この知見が変わってくるかもしれませんね。