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腰部のスペシャルテスト集①

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腰痛は様々な要因が考えられますが、まず腰痛を評価する際、そもそも腰部〜仙骨の部分の状態を把握する必要があります。

腰仙部は関節部位だけでなく、腰神経叢など複雑な解剖的一面を持っています。

そのため、一言に腰の症状と言っても神経からくるのか、筋なのか、関節なのかなど、考えなければいけないことがたくさんあります。

これらを鑑別するためにスペシャルテストが存在しますが、これらには感度や特異度などが存在します。最新のエビデンスに基づき、これらの数値を発見でき次第、記載してありますので、参考にして頂ければと思います。

 

 

Lumbar extension/side bending/ rotation Combined Motion 腰椎伸展側屈回旋動作テスト

目的:関節の動きの量と複合運動による疼痛の有無を確認する

患者の開始姿勢:立位

セラピストの開始姿勢:検査する側の反対に立つ

セラピストの手:右に立った場合、右手は患者の左肩、左手は親指を検査したい腰椎の位置に当て、動作の支点とする。

動作:セラピストが自動介助にて患者の伸展、左回旋・側屈を誘導する

陽性:腰痛や下肢の痺れや疼痛があると陽性

Note:これは腰椎の椎間関節に負荷を掛け、椎間関節の状態を見るテストになります。よって腰痛が誘発された場合は椎間関節に異常があることを示唆します。また、下肢の痺れや疼痛は腰椎での神経の絞扼が考えられます。

カッパ係数:0.29 (0.06-0.52)

Sensitivity 感度:100%

Specificity 特異度:22%

 

 

Lumbar Posterior Shear Test 腰椎後方剪断テスト

目的:腰椎の不安定性(instability)の評価

患者の開始姿勢:立位にて両手で下腹部を抑える

セラピストの開始姿勢:患者の斜め後方〜横

セラピストの手:片方の手で検査する腰椎の棘突起を中指、1つ下の椎体の横突起を示指と環指、仙骨を手掌で添える。

動作:セラピストが上記とは反対側の手で患者の下腹部を抑えている手を押す。

陽性:症状が再現したり、過度な椎体の動きがみられたら陽性。

Note:各椎体を検査し、椎体ごとで比較する。

カッパ係数:0.35(0.06-0.52)

Sensitivity 感度:57%

Specificity 特異度:48%

 

 

Prone Instability Test 腹臥位不安定性テスト

目的:腰椎のセグメント毎の不安定性を評価

患者の開始姿勢:下肢全体はベッドからはみ出るように腹臥位になる。(ASISがベッドの端)

セラピストの開始姿勢:患者の左右のどちらか

セラピストの手:片手の小指球(hypothenar eminence)の尺側を検査するセグメントの椎骨に触れる。この時手関節はやや伸展位。前腕は腰椎に対して垂直に位置する。反対の手はサポートをするように添える。

動作①:セラピストは椎骨に対し、後前方に圧力を加える。

動作②:動作①で疼痛があれば、患者に両下肢を床から持ち上げてもらい、再度圧を加える。

陽性:動作①で疼痛があり、動作②で疼痛がなければ陽性

Note:他のテストと組み見合わせて評価すべき。

カッパ係数:0.69-0.87

Sensitivity 感度:61%

Specificity 特異度:57%

 

 

Prone Lumbar Extension Test 腹臥位腰椎伸展テスト

目的:腰椎の不安定性を評価

患者の開始姿勢:ベッド上で腹臥位

セラピストの開始姿勢:患者の足元に立つ

セラピストの手:患者の下肢の遠位部を把持する

動作:セラピストが他動にて患者の両下肢を持ち上げる(ベッドから約30cm)

陽性:持ち上げた時に疼痛が生じ、降ろしたら改善したら陽性

カッパ係数:0.76 (95% CI: 0.46, 1.00)

Sensitivity 感度:84%

Specificity 特異度:90%

 

 

Femoral Nerve Tension Test 大腿神経テスト (Ely’s Test)

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目的:大腿神経の疼痛や状態(irritation)を評価

患者の開始姿勢:ベッド上で腹臥位

セラピストの開始姿勢:患者の左右どちらかに立つ

セラピストの手:患者から見て頭側にある手(cranial hand)で検査側の下腿遠位を把持し、尾側にある手(caudal hand)で膝を下から把持する

動作:他動にて検査側の膝を90°屈曲させ、股関節を完全伸展位まで持ち上げる

陽性:持ち上げた時に大腿前面の疼痛があれば陽性

Note:このテストは大腿直筋にも関係してくるので、他の神経テストと組み合わせて行う必要がある。

カッパ係数:-

Sensitivity 感度:-%

Specificity 特異度:-%

 

 

The Slump Test スランプテスト

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目的:脊柱管(central spinal canal)での神経絞扼や硬膜組織(dural tissue)の評価

患者の開始姿勢:テーブルの端に座り、膝の後面がテーブルにくっつける。

セラピストの開始姿勢:患者の左右どちらかに立つ。

セラピストの手:患者から見て背側の手を頸部におく。

動作:まず背筋を正してもらい、その時点で症状がないか聞く。そして自動にて前を向いたまま胸椎と腰椎を最大屈曲してもらう。そしたら上位胸椎に置いてある手で胸腰椎を屈曲方向に圧迫する。この圧迫を維持しながら、自動にて頸椎も最大屈曲してもらい、そこからもう片方の手で頚椎を屈曲方向に圧迫する。この2箇所の圧迫を片方の手だけで圧を加えられるように手の位置を変える。そしたらそのまま自動にて片側の膝関節を屈曲位してもらう。この時症状と角度を記載。さらに同側の足関節を自動にて背屈してもらう。この時に症状を聞く(最終肢位)。これらの圧迫と動作を維持しながら患者は自動にて頸椎をニュートラルに戻す。

陽性:最終肢位までに下肢に症状が出るもしくは膝が完全伸展できない。さらに、最終肢位の症状から頸椎を戻した時に症状の軽減、膝が完全伸展できなかった場合はさらに伸展が可能であれば陽性。

Note:治療方針としては神経や硬膜組織のモビライゼーションが考えられる。

カッパ係数:0.69

Sensitivity 感度:84%

Specificity 特異度:83%

 

 

Straight Leg Raise (SLR)

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目的:下肢の症状の原因が腰椎ヘルニアにより髄核が神経を圧迫しているか否かを評価、また腰神経叢(Lumbosacral neural tissue)のメカニカルな感度を評価。

患者の開始姿勢:背臥位は

セラピストの開始姿勢:患者の左右どちらかに立つ

セラピストの手:患者から見て頭側の手は骨盤を抑えてるか、SLRの補助として膝の辺りを把持する。尾側の手は足関節もしくは下腿の遠位を把持する。

動作:セラピストは他動にて検査側の股関節をゆっくり屈曲させる。この時膝関節は完全伸展位のまま。症状が出た時の角度の症状を記録。更に他動にて足関節の背屈や頚椎の屈曲を加えることで神経に対してストレスを加えることができる。

陽性:腰から下肢の範囲で神経的な症状もしくは疼痛を訴えたら陽性(ストレッチ等で筋の影響を取り除いていることが前提)

Note:ハムストリングスの短縮によって検査ができなかった場合、ストレッチなどをしてから検査すると良い。股関節屈曲が15°を超えた場合、筋による緊張も考慮しておく必要がある。股関節が30°以下で症状を訴えた場合、ヘルニアによる影響が強いと考えられる。また、健側を屈曲した時に症状が出るようであれば、同様にヘルニアの影響を強く示唆する。

カッパ係数:-

Sensitivity 感度:91%

Specificity 特異度:26%

 

 

Active Straight Leg Raise Test (Active SLR)

目的:下肢からの腰仙部への影響と、腰仙部の動的安定性を評価

患者の開始姿勢:背臥位

セラピストの開始姿勢:患者の左右のどちらかに立つ

セラピストの手:骨盤の前方もしくは後方を左右から抑える

動作:片方ずつ約20cmずつ下肢を挙げてもらう(股関節屈曲)。その後、セラピストが骨盤を抑えた状態で再度施行。

陽性:下肢の挙上が難しかったり、疼痛を訴え、セラピストが骨盤を抑えた状態でこれらの症状が軽減したらたら陽性

カッパ係数:0.53-0.70 (95% CI: 0.20, 0.84)

Sensitivity 感度:87%

Specificity 特異度:94%