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胸椎伸展症候群の診断

「turnen sport」の画像検索結果

胸椎伸展症候群の診断についてお伝えしていきます。

 

 胸椎伸展症候群とは

 

胸椎伸展症候群とは胸椎の伸展によって疼痛が生じる状態のことを言いいます。胸椎の伸展は上部胸椎(肩甲骨間の部分)だけでなく、下部胸椎や胸腰椎移行部でも行われます。胸椎の椎間関節が伸展可動域を制限しています。しかし、何らかの理由で胸椎が異常に伸展してしまい、この症状を呈します。

※これはあくまで理学療法士が行う診断なので、必ずしも画像初見から判断するだけでなく、このように症状で診断をする事があります。勿論、実際の臨床ではRed Flagを確認して理学療法士の治療できる範囲内なのかを評価します。

 

この症状は高齢な方というよりも若者に多く、ダンスや体操競技など特別な運動を行っている方に多いです。

また、疼痛などが原因で座位姿勢や立位姿勢が特徴的な人が多いです。

 

要因としては胸椎付近の起立筋群、肩甲骨内転筋群のオーバーユース、また肩甲骨内転不良などが挙げられます。

 

診断方法

 Standing test【立位でのテスト】

Standing testには5つのテストがあります。

屈曲テスト、伸展テスト、側屈テスト、回旋テスト、呼吸テストの5つです。

 

屈曲テスト

立位の状態で体幹を屈曲してもらいます。この時に屈曲角度不足の有無を確認します。胸椎の屈曲参考角度は約30-40°になります。

 ただし、胸椎伸展異常が上部胸椎にあった場合、屈曲不足はあまり見られないかもしれません。上部胸椎はもともと可動性の低い部位だからです。

屈曲姿勢から戻る際に疼痛を訴えることが多いので注意しましょう。そしてその時、疼痛部位を中心に伸展していることが多いです。

逆にその部分の伸展を抑えて戻ってもらうと疼痛がなくなる事もあるので、確認の意味も込めて評価する必要があるかもしれません。

 

伸展テスト

立位の状態で体幹を伸展してもらいます。この疾患の場合、疼痛の再現率は高くなります。

 

回旋テスト

立位の状態で体幹を回旋してもらいます。疼痛とは関係なしにROM制限が見られる事があります。

 

側屈テスト

 立位の状態で体幹を側屈してもらいます。疼痛の再現率は高くありませんが、左右でROMの非対称になる事はあります。

 

呼吸テスト

立位の状態で深呼吸をしてもらいます。疼痛が生じる場合があり、その際は胸椎の動きを評価します。胸椎の伸展が過度に起きる事もあります。

 

Sitting test【座位でのテスト】

 座位になってもらい、姿勢を評価します。この疾患を持っている方は、脊椎がすごく真っ直ぐな状態で座る人が多いです。この場合、少し体幹を屈曲してもらうと疼痛が軽減する事が多いです。

 

Supine test【仰向けテスト】

仰向けになってもらいます。脊柱起立筋群が弛緩されるため、疼痛が軽減される事が多いです。背臥位のまま肩を屈曲させた時の肋骨と胸椎の動きを評価します。屈曲時に胸椎の伸展を感じることもあります。もし疼痛が生じた場合、腹筋群を収縮させた状態で再度行い、この時の疼痛の変化を評価します。

 

Prone test【うつ伏せテスト】

うつ伏せになってもらいます。Supine testと同様、筋の弛緩などにより、疼痛が軽減される事が多いです。次に、万歳をした状態でうつ伏せになります。そして手をベッドから離すように屈曲をします。ベッドから腕が離れた瞬間に疼痛が生じる事があります。同様に僧帽筋(特に中部線維)の筋力テストを行い、疼痛が生じずに行う事ができるかを評価します。肩甲骨の内転・下制がうまくできずに脊椎の伸展で行ってしまっている可能性もあるので、注意しましょう。

 

Quadruped test【四つ這いテスト】

四つ這いになってもらいます。この疾患の方の特徴としては、肩甲骨が浮き出て、肩と股関節で吊るしているような姿勢(腰が反った姿勢)が見られます。その状態から片側の肩を屈曲し、脊椎の伸展を評価します。やや伸展がみられますが、疼痛が生じる可能性は低いです。なぜなら、立位姿勢と異なり、体重が脊椎に荷重されないからです。

 

上記のテストの特徴が見られるのが胸椎伸展症候群です。そのほかにも胸椎の動作不良はあるので、それらと鑑別して診断していく必要があります。

 

胸椎伸展症候群の治療とリハビリテーションは次の記事で 

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