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股関節のスペシャルテスト集①

「hip joint」の画像検索結果

今回は股関節のスペシャルテストについてです。

 

 

Illiotibial Band Length Test 腸脛靭帯長テスト

「Iliotibial Band Length Test」の画像検索結果

目的:腸脛靭帯の長さを評価

患者の開始姿勢:検査する足を上にして側臥位

セラピストの開始姿勢:患者の背部に立つ

セラピストの手:患者の頭側の手は腸骨稜(iliac crest)に当てる。尾側の手は検査する下肢の膝を把持する。

動作:検査する膝を90°屈曲し(別法では膝関節は完全伸展位)、他動にて股関節10°伸展、最大外転させる。この時の足から体幹を結ぶ線の角度を維持しながら他動にて股関節を内転させる(床に向かって降ろしていく)。

陽性:股関節の内転が10°以上行けば正常、行かなければ陽性。

Note:セラピストは自身の大腿で骨盤を抑えるとより安定して評価できる

カッパ係数:0.90(95%CI0.93, 0.98)、別法:0.91

Sensitivity 感度:-%

Specificity 特異度:-%

 

Flexion, Adduction, Internal Rotation (FADIR) Impingement Test 屈曲内転内旋テスト

「Flexion, Adduction, Internal Rotation (FADIR) Impingement Test」の画像検索結果

目的:大腿骨頭と寛骨臼間(腹側・頭側)のインピンジメントによる疼痛、そして股関節唇損傷の病態を評価するため

患者の開始姿勢:背臥位

セラピストの開始姿勢:検側側に立つ

セラピストの手:検側の下肢の膝と足関節を支持する

動作:セラピストが他動にて股関節と膝関節を90°にする。股関節の90°屈曲を維持したまま、最大限他動にて内転・内旋させる。もし陰性であれば、股関節を最大屈曲位にして再度行う。

陽性:グローインの部分、臀部後方、股関節の側方に患者が訴えていた様な疼痛が生じれば陽性。

Note:研究に参加した患者は関節内になんらかの問題がある患者で、関節炎の方は含まれていません。

カッパ係数:0.58

Sensitivity 感度:78%

Specificity 特異度:10%

 

 

Hip Scour Test 股関節捻転テスト

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目的:股関節および股関節周りの組織を評価するため(変形性関節炎の評価)

患者の開始姿勢:背臥位

セラピストの開始姿勢:検側側に立つ

セラピストの手:両手にて検側の下肢を把持する

動作:まず、抵抗感を感じるまで検側の股関節を他動にて屈曲・内転させる。地面に対して垂直に負荷をかけながら、屈曲、外転と股関節を2回回す(時計回り)。陰性であれば、今度は大腿骨に対して長軸上に負荷をかけながら再度行う。

陽性:グローイン、股関節、大腿部、臀部に訴えていた疼痛が再現されれば陽性。

Note:以下の5つの評価のうち、4つ以上に当てはまったら変形性関節炎の可能性が91%になる。

1) スクワットを行うと症状が悪化する

2) このテストにてグローインもしくは股関節外側に疼痛が見られる

3) 自動での股関節屈曲によって股関節外側に疼痛が見られる

4) 自動での股関節伸展によって股関節に疼痛が見られる

5) 他動での股関節内旋が25°以下

カッパ係数:0.52(変形性関節炎に対して)

Sensitivity 感度:62%

Specificity 特異度:75%

 

 

Thomas Test トーマステスト

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目的:股関節屈筋群の筋長を評価するため

患者の開始姿勢:背臥位で膝が出るくらいまで尾側に下がる

セラピストの開始姿勢:下肢側(尾側)に立つ

セラピストの手:両手および胸で評価を行うための動作を行う

動作:開始肢位より他動にて両股関節を最大屈曲する。検側と反対側の下肢を支持し、検側の下肢をベッドに着くまでゆっくり降ろしてもらう。この肢位から同側の膝関節を90°屈曲する。ベッドに着かなかった場合、同側の股関節を外転する。

陽性:膝関節を屈曲したときに同側の股関節が屈曲したら大腿直筋の短縮を疑う。股関節を外転したときに下肢がベッドについた場合大腿筋膜張筋の短縮を疑う。外転しても変化がない場合は腸腰筋の短縮を疑う。

Note:念のために同側の膝関節を伸展してベッドに着くかを確認すると良い。着けば大腿直筋の短縮の可能性の方が高い。

カッパ係数:-

Sensitivity 感度:-%

Specificity 特異度:-%

 

 

Hip Passive Rotation Range of Motion Test (Supine) 股関節他動ROMテスト(背臥位)

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目的:背臥位での股関節の他動ROMを評価するため

患者の開始姿勢:背臥位

セラピストの開始姿勢:検側に立つ

セラピストの手:頭側の手は骨盤が動かないように検側のASISを母子と示指で把持する。尾側の手は患者の股関節を回旋できるように下から把持する。

動作:他動にて尾側の手を用いて股関節を内外旋させる。この時にend feelと疼痛の再現の有無を確認する。

陽性:ゴニオメーターなどでROMを測定することも可能

Note:しっかりと骨盤を抑えることができれば、end feelなどを感知しやすくなり、股関節ROM評価の質が上がる。

カッパ係数:-

Sensitivity 感度:-%

Specificity 特異度:-%

 

Hip Passive Rotation Range of Motion Test (Prone) 股関節他動ROMテスト(腹臥位)

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目的:腹臥位での股関節の他動ROMを評価するため

患者の開始姿勢:腹臥位、検側の膝関節を90°屈曲させ、反対側の股関節は30°外転させる。

セラピストの開始姿勢:患者の尾側に立つ

セラピストの手:ゴニオメーターを持っている手は内側(外側)の脛骨遠位1/3のところにメーターを当てる。反対側の手は脛骨を支持する。

動作:他動にて股関節を内外旋させ、メーターで測定する。

陽性:ROM測定なので、陽性はなし

Note:骨盤で代償すると、骨盤がベッドから浮き上がるような動きが見られる。股関節内旋35°以上行く場合、腰痛患者に対するマニピュレーションの適応基準の1つとなる。

カッパ係数:-

Sensitivity 感度:76%(股関節内旋が25°以下の場合の変形性関節炎の感度)→股関節捻転テスト参照

Specificity 特異度:61%(同上)