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スポーツ選手の靴の選び方

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スポーツ選手にとって靴というのは非常に大事な道具の1つです。また、間違った靴を履いてしまっているがために下肢の障害等を引き起こしている選手も何人かいるのも事実です。そのため、靴の選択はこういった障害の予防・治療になります。そこで、今回は正しい靴の選び方をお伝えしていければと思います。

今日は靴の選び方についてお伝えしていきたいと思います。

 

靴ってどうやって選ぶの?

ほとんどのスポーツ選手は靴を履いて競技を行います。恐らくほとんどの選手は履き心地によって靴を選んでいるのではないでしょうか?

個人的な経験ですが、一部の選手がその履き心地が良いと思って買った靴がその選手にとって怪我を誘発しやすい靴を履いていることが多々ありました。勿論競技によっては特別な靴を使用するため、全ての競技に応用できるとは思いませんが、スポーツに限らず、医療者であれば靴の選び方を知る必要があるのではないでしょうか。履き心地が良いイコールその選手にとって良い靴とは限らないということがあるので、注意が必要です。

結論から言うと、

overpronation 過回内

足部内側部の落ち込みが激しいため、内側部を中心にクッション性ではなく、安定性のあるものを選ぶ

oversupination 過回外

踵への過負荷になりやすいので、クッション性のある靴を選ぶ

 

足関節の機能障害

足関節は走る際、蹴り出す役割があります。

しかし、足関節に機能障害があるとき、この蹴り出しがうまくいかず、足部を中心に様々な障害を引き起こしてしまう可能性が高くなります。

また足部は数多くの骨で構成されており、どの部分の機能が障害されてしまうのかによって治療法などが変わってくるので、しっかりと評価する必要があります。

走る際、足部は回内と回外を繰り返していきます。よくみる足底筋膜炎も回内型と回外型に分かれます。この回内と回外ですが、どの部分がどのくらい行われているのかを評価する必要があります。足部における回内と回外は主に距骨下関節、ショパール関節、リスフラン関節で行われます

回内では距骨が内転・底屈、下腿内旋、ショパール関節がhyper、立方骨滑車機能性低下がみられ、第1中足骨・内側楔状骨もしくは第2、3中足骨のストレス上昇、バニオン・骨折・たこのリスクが上昇することが考えられます。

回外では距骨が外転・背屈、下腿外旋、ショパール関節がhypo、立方骨滑車機能性低下がみられ、腓骨筋の負荷が上昇し、第1,5中足骨のストレス上昇、バニオン・骨折・たこのリスクが上昇することが考えられます。

 

靴の役割

靴の大まかな機能として、屈曲性、耐久性、グリップ性、軽量性、フィット性、通気性、安定性、衝撃緩衝の役割があります。屈曲性は靴の前足部、グリップ性はソール(アウター)、軽量性はソール(アウター)とアッパー(足背の布の部分)、フィット性と通気性はアッパー、安定性はミッドソール(ジャンク)、衝撃緩衝はミッドソール(踵)がこれらの役割を担っています。

 

インソール

靴のインソールはミッドソールという部分とアウトソールという部分に別れています。

ミッドソールの特徴として、シューズの底に位置し、素材としては重く密度が高いので、安定性は高く、クッション性が低いという特徴があります。ASICSなどが用いてるSPEVAなどは反発性の優れたソールになっています。

 

アウトソールは主にセパレートソール、フラットソール、プロパルションプレートの3種類存在します。セパレートソールとは、ソールが踵の部分で枝分かれをしているソールのことで、踵接地からつま先離地までの前後方向をしっかりとサポートする役割がありますが、反対に切り返しなどがしにくいという特徴があります。フラットソールはその反対で、ソールが枝分かれしていない分、足底のどの面でついても対応できる設計となっております。特徴もセパレートソールと逆になります。プロパルションプレートは上記の2つとは異なり、形状ではなく素材で分類されます。このソールの特徴は局所の曲がりを最低限に抑えることでグリップ性、安定性が増すという特徴があります。ただし、切り返しには不向きにはなります。

         「 ランニングシューズ 靴裏 レース用」の画像検索結果  フラットソール

         「 ランニングシューズ 靴裏 レース用」の画像検索結果  セパレートソール

 

ラスト

ラストとは踵〜つま先のカーブの形状のことを指します。これは大きく分けてカーブ、セミカーブ、ストレートに分かれます。カーブの特徴としては、軽量化されているものが多く、サポート性が低いレース用のイメージで設計されています。解剖学的・運動学的な説明をすると、カーブによって足部の接地から蹴り出しまでの過程で回内するように誘導されていきます(蹴り出しへの誘導)。そのため、overpronation(過回内)の人にはあまりお勧めできない靴になります。反対にストレートの特徴は、あまり軽量化されておらず、サポート性を重視している設計となっているため、練習用のイメージで製造されています。セミカーブはこれらの中間に位置します。

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シューズの選択

最後に靴の選び方ですが、基本的に足関節の機能になんらかの異常がある場合、overpronation(過回内)もしくはoversupination(過回外)が考えられます。

これらの症状がある人にとって適切な靴は全く異なって来ます。

 

まずはoverpronation(過回内)してしまう人にとって適切な靴です。

・第2、3中足骨にエクストラサポートがある

・前中足が幅広い

・横アーチの折れ曲がりが強すぎない

・後外側のクッションが良い

・ラストはストレート

・後内側〜中内側に硬い素材

・舟状骨にメーカーのラインや別素材が使われている

・アーチサポートがしっかりしている

過回内、いわゆる扁平足になりやすい人はこれらの特徴のある靴がおすすめです。とにかく、足部のアーチを潰したくないので、クッション性よりも安定性を重視したものを選びましょう。

 

続いてoversupination(過回外)してしまう人にとって適切な靴です

・後外側にクッション性の良い素材

・前内側部と前外側部のクッションが良い

・クッション性重視

過回外、いわゆるアーチ高の人は足部への衝撃が強いので、クッション性が優れたものを選ぶと良いです。逆にアーチが潰れる心配はないので、前足部のクッションも柔らかいものでも大丈夫です。