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五臓六腑とその関係②

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前回は五臓(陰の臓器)についてお伝えしました。

今回は六腑(陽の臓器)とその他の臓器について触れていきたいと思います。

 

 

小腸

小腸は心と同じ火の臓器になります。

機能としては、

・食べ物を胃から受け取り、消化して食べ物の精を吸収する。

・津液をpureとimpureに分別する。

があります。

 

 

胆嚢

胆嚢は肝と同じ木の臓器になります。

機能としては、

・消化のために、胆汁を蓄え、小腸に分泌する。

・気の循環(肝の機能)を助ける

・勇気を持ったり、何かを決定する意志を助ける。

があります。

 

 

胃は脾と同じ土の臓器になります。

機能としては、

・食べ物を受け取り、分解して、小腸に送る。

があります。

 

 

大腸

大腸は肺と同じ金の臓器になります。

機能としては、

・食べ物を受け取り、水分を吸収し、便を形成する。

・腎と共同で肛門の閉開をコントロールする。

があります。

 

 

膀胱

膀胱は腎と同じ水の臓器になります。

機能としては、

・尿を蓄え、また放出する。

があります。

 

 

三焦

三焦は五行に属さない(中には全てに属するという人もいます)臓器で、上部、中部、下部の3つに分かれます。ちなみに三焦の経絡は心包と繋がっています。

機能としては、

・ 気の通り道となり、循環を助け、気の変換場所にもなる。

・水分の通り道となり、代謝を助ける。

があります。

 

五腑六腑も三焦によって分けられます。

上部:心、肺

中部:脾、胃、肝、腎(位置は中部だが、機能としては下部)

下部:膀胱、小腸、大腸、子宮

臓器の機能のところでもお伝えしましたが、これら3部位に別れているのも、各部位には大まかな機能があります。

上部:血や気の収集、循環

中部:食べ物や水分の消化や吸収

下部:津液の分別、便の放出

 

 

その他の臓器

その他の臓器は脳、骨髄、骨、血管、子宮、(膀胱)があります。

今回はその中の脳と子宮について説明していきます。

 

脳は頭蓋骨に位置し、髄と連携しています。それゆえに脳は髄の海ともいわれます。髄や腎によって支持されます。脳は精神状態を表し、深く影響を与えます。

 

子宮

子宮は骨盤内に位置し、生理や胎児に大きな影響を与えます。腎や経絡と深く関係があります。 腎の精によって子宮は機能します。

 

気の産生と循環

 気を産生するには3つの方法があります。1つは、食事から胃と脾を通して谷気を得る方法。2つ目は肺を通して空気を取り込み空気の気を得る方法。最後は腎の精より腎の気を産生する方法(のちに原気になる)があります。

気の産生に関わる臓器は胃・脾、腎、肺ということになります。

これらの気は臓器などによって変形や変換をしながら全身をめぐります。

 

循環に関してですが、食事から得た谷気は脾によって肺に送られます。肺のなかで谷気が真気になり、体の下の部分に向かって気を送ります。肝は唯一の気をあらゆる方向に送ることができる臓器です。

気の循環に関わっている臓器は脾、肺、肝ということになります。

 

血の産生と循環

血を産生する方法は2つあります。

1つは肺に送られた谷気がそのまま心に送られ、原気を触媒として血に変換される方法。もう1つは肺で真気が衛気と営気に別れ、営気が津液の中で血に変換される方法になります。

どちらにせよ、食事からの谷気が重要になってくるので、脾は欠かせない臓器となります。そのため、本によっては脾が血を産生する臓器と定めているものもあります。

その他では、心は血を集める臓器であり、肝は血を貯蔵する臓器になります。

心は血を集めるだけでなく、集めた血をポンプとなって全身に循環させます。

 

津液の代謝

脾によって産生された津液は肺と腎に向かって循環されます。この循環は三焦を通して循環します。

津液について詳しくはこちら。

dog.training-univ.com

 

いかがでしたか、六腑の主な機能としてまとめると、

・食べ物の消化と吸収

・水の代謝

・老廃物の排出

に関わってきます。

これらの機能を五腑とまとめて整理していきたいものです。

五臓六腑とその関係①

     「五臓六腑 東洋医学」の画像検索結果

 

五臓六腑とは陰の臓器(五腑)と陽の臓器(六腑)と三焦のことで、西洋医学における内臓にあたります。

それぞれ五行の成分に沿って別れ、1つの成分あたり陰の臓器を1つ、陽の臓器を1つ持ちます。

それぞれの臓器には役割があります。

また、西洋医学のように肝臓が〜状態だから〜するといった各論というものは存在せず、他の臓器とどういう関係なのかが診断基準になります

それでは1つ1つお伝えしていければと思います。

 

 

心は西洋医学の心臓のことです。

心のはたらき
血を集める
血管をコントロールする
状態が顔に現れる
神(shen) (英=mind)を作る
汗をコントロールする

 

・血を集める

心では谷気(食事によって得られる気)を血に変換させ、血を産生する臓器としての役割があります。また、産生した血を身体中に送るため、心が機能不全に陥ると、血の循環に影響が出てしまいます。

 

・血管をコントロールする

血管は心の気と心の血に依存しているため、心が機能不全に陥ると、脈が弱くもしくは不整脈になります。脈は心の気の状態を表すバロメーターのような役割を持っています。

 

・状態が顔と舌に現れる

心の状態は顔に現れ、心の気の不足は青ざめた顔になり、心の血の停滞は濃い青色がかった表情になります。舌にも様々な影響を及ぼします(詳しくは別記事にて)。

 

・神(shen) (英=mind, spirit) を作る

神とは精神状態、マインドのことで、ここが西洋医学と大きく異なるところです。神とは思考の明確化に影響します。例えば、色々な選択肢があった時に、〜理由でこれを選ぶと言った思考を具現化・明確化し、決断までの思考のことを示しています。心は神に栄養を送ります。そのため、心が機能不全に陥ると、記憶力の低下、考え込んでしまいやすい、不眠症、精神錯乱、不安や動揺などが現れてしまいます。過度な喜びは心に悪影響を与えます。

 

・汗をコントロールする

汗は前回の記事でお伝えしたように、津液の液でできています。津液と血はお互いに栄養を送りあっており、血を産生する心も津液に影響を及ぼします。

多汗は心の気不足と血と津液の不足、夜中の汗は心の陰不足が示唆されます。

 

※陰の臓器で心包(英=pericardium)というのがあります。中医学では心包は外からの病的因子に対して心を守る働きをします(特に熱に対して)。心は直接これらから身を守ることはできません。その役割は心包が担っております。ただし、心包には独自の経絡があります。

 

 

肝は西洋医学でいう肝臓のことです。

 

肝のはたらき
血の貯蔵
気の流れを管理する
腱をコントロールする
状態が爪と目に現れる
魂(hun)(英=ethereal soul)を作成する

 

・血の貯蔵

肝は血を貯蔵する役割があります。また、身体活動に合わせて貯蔵量をコントロールします。また、女性にとっては生理が貯蔵量に影響してきます。

 

・気の流れを管理する

肝によって気を全ての臓器、そしてその他全ての方向に送り込ませることができます。肝以外の臓器の気は特定の流れにしか流れません。しかし肝はあらゆる方向に行けるのが最大の特徴です。

 

・腱をコントロールする

肝の血が腱に栄養を送っています。

そのため、肝の血が不足すると、可動域が狭まったり、麻痺したり、関節に力が入らなかったりします。

 

・状態が爪と目に現れる

肝の血は爪にも栄養を送っています。肝の血が不足したら爪は乾燥、割れ、青白くなるなどの症状が出ます。

目にも栄養を送っており、肝の血の不足によって、ぼやけて見える、浮いた点のようなものが見える、ドライアイ、かゆみなどの症状が出ます。

 

・魂(hun) (英=ethereal soul) を作成する

魂とは意志のことで、計画を立てたり(選択肢を作る)、夢を描くなど、未来に向かうために必要な意志になります。感情の表出に関与し、感情のコントローをすると言う役割があります。神とは違うので間違えないようにしてください。

 

 

 

肺のはたらき
呼吸、気を集める
経絡と血管をコントロールする
気の拡散と下降をコントロールする
水の通りを調節する
体毛と肌を調節する
状態が鼻に出る
魄(po) (英=corporeal soul)を作る

 

・呼吸、気を集める
肺は呼吸によって自ら気を取り込み、脾からは谷気を受け取ります。これは宗気を産生するまでの過程です。
肺は呼吸という役割を担っている関係で、五腑の中で最も外側に位置する臓器になります。そのため、外部からの病的因子より侵襲されやすいことを意味します。
 
・経絡と血管をコントロールする
肺は経絡と血管を通して気を循環させ、それをコントロールします。そのため、経絡と血管もコントロールされます。
 
・気の拡散と下降をコントロールする
肺は衛気と津液を身体中(肌と筋の間)に拡散させます。このことで肌に潤いを与え邸ます。そのため、例えば外部からの病的因子の1つである冷によって肺が侵襲された場合は汗が出なくなったりします。心は血を介して津液に影響を与えますが、肺は津液そのものを循環させコントロールしています。
また、気を体の下の部分に拡散させるはたらきもあります。気を下降することができず、胸郭に気が停滞してしまったら、呼吸ができづらくなったりします。また、大腸が十分な気を肺から受け取らなかった場合は排便がしづらくなったりします。
 
・水の通りを調節する
腎で水がpureとimpureに別れて、pureな水が肺に、impureな水が膀胱に行きます。肺は上記にもあるように津液を循環させるので、汗や尿などを通して津液(水分)を体外に排出はたらきがあります。
 
・体毛と肌を調節する
上記でもお伝えしましたが、肺は津液を肌と筋の間に循環させるはたらきがあり、肌を潤しています。体表の毛穴も肺によってコントロールされており、毛穴を通じて毛にも栄養を送っています。
 
・状態が鼻に出る
鼻は肺の状態を表していると言われ、肺の気が十分にあれば、鼻から息がしやすく、匂いにも敏感に反応できます。反対に、肺の気が弱まると、鼻が詰まったり、匂いに鈍感になってしまいます。また、外部からの病的要因である熱に攻撃された場合、鼻血が出たりします。
 
・魄(po) (英=corporeal soul)を作る
肝のところの魂は自分自身で随意的に作る意志であったのに対し、魄は不随意的なもので、人間が人間たるものになるために必要な身体的、本質的な精神のことになります。一言で言うなら動物としての本能に基づく思考と言うことになります。肺はこの精神を作るはたらきがあります。このはたらきを邪魔するのが悲しみです。悲しみによって出るため息によって余計な肺の気を使ってしまうからです。故に悲しみは肺に悪影響を与えてしまいます。
 
 
 

 
脾は西洋医学でいう脾臓のことになります。
脾のはたらき
変形・変換と輸送を司る
血をコントロールする
筋と四肢をコントロールする
状態が口と唇に出る
気の上昇をコントロールする
思考を司る

 

・変形・変換と輸送を司る

前回の記事でお伝えしたように、気と血の一部は脾で産生されます。谷気に関わっているため、もし脾が機能障害に陥ったら食欲減退、消化不良などが引き起こされます。

また、pureな津液を体の上部に送る輸送のはたらきもあります。

 

・血をコントロールする

血の元である谷気を作る臓器であるため、血の産生に関わると言えます(いくつかの本では血を産生する臓器として扱われております)。脾の気は血を血管の中にとどめておくことができるため、出血多量を予防します。

 

・筋と四肢をコントロールする

脾は筋と四肢に栄養を与えます。そのため、体力の指標として扱われるのが脾になります。

 

・状態が口と唇に出る

脾の状態は口に現れ、咀嚼をコントロールします。脾が健康であれば、口や唇は乾燥などせず、通常の状態を保てる。

 

・気の上昇をコントロールする

脾は他の臓器の位置を保つはたらきがあります。また、脾の気や谷気は脾によって上昇し、肺や心に運ばれます。ちなみに胃の気は消化のため下降します。

 

・志(yi) (英=intellect)思考を司る

脾は思考(心配する、集中する、考える、記憶する)を司ります。心も思考を司りますが、脾が司る考えは仕事や学校でのプロセスを考えることであり、心は問題解決のために考えることを司ります。簡単に言うと、勉強のための集中力が志であり、問題解決の際の決定を担うのが神になります。

 

 

 

腎は西洋医学でいう腎臓のことになります。

腎のはたらき
精を集め、誕生、成長、再産生、発達に関わる
骨髄を産生し、脳を満たし、骨をコントロールする
水を集める
気の受け取りをコントロールする
状態が耳、髪の毛、頭に現れる
2つの門(尿道と肛門)をコントロールする
命門

 

・精を集め、誕生、成長、再産生、発達に関わる

精は他の記事でお伝えしたように、親から受け継いだものや、出生後に得るものがあり、成長や再産生、発達に関わります。年齢を取るごとに精は減っていきます。

 

・骨髄を産生し、脳を満たし、骨をコントロールする

東洋医学でいう骨髄は西洋医学と異なり、東洋医学では、骨髄は骨、脳、脊髄を構成します。そのため、東洋医学では腎が脳を構成すると言われております。脳や脊髄は「骨髄の海」と言われます。

 

・水を集める

腎は三焦の下部に位置し、腎は膀胱に気を送り、生理学的機能を補助します。また、腎は津液を肺から受け取り、腎の陽によって津液をpureとimpureに分別する役割があります。脾に対しては変換と輸送の機能を補助するために熱を送ります。

 

・気の受け取りをコントロールする

肺から降りてきた気を腎が保持します。この機能が働かないと、呼吸(肺)に問題が生じてしまいます。

 

・状態が耳、髪の毛、頭に現れる

耳は精を必要とするため、腎の状態が出る部分です。また、頭部や髪の毛も成長するために精が必要なため、腎の状態がこれらの部分に現れます。

 

・2つの門(尿道と肛門)をコントロールする

腎は2つの門を司ることで排泄をコントロールします。この機能は腎の陽が関わります。腎の陽が機能不全に陥ると、下痢などといった排泄の症状が現れます。

 

・志(zhi) (英=will power) 意志を司る

腎は意志を司り、目的に向かって焦点を当てることや、モチベーションをあげるはたらきがあります。神によって行われる決断を後押ししたり、決断した選択肢を実際に実行したりします。

 

・命門

命門は両方の腎の中間に位置します。全ての臓器に熱を与え、機能が正常に働くようにします。その他の役割として、肺から気を受け取る腎を補助する、神を司る心を補助する、性的活動を調和し、精や子宮を温める。などが挙げられます。

 

次の記事ではこれらの臓器の関係、そして六腑についてお伝えできればと思います。

五行説 〜相生と相克〜

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五行論は陰と陽と並んで東洋医学の基礎になります。

五行とは自然界に存在する木、火、土、金、水の5つより成り立っています。

広大な大地を持っている中国ならではの発想で、人間も自然界の1つですので、自然界の流れも人間に起きているものも同じであるという考え方です。

それぞれにはぞれぞれの特徴があり、またお互いに影響を及ぼし合っています。

 

 

五行(木、火、土、金、水)

木はまっすぐになることも曲がることもでき、徐々に成長していくものです。

また、自然界での役割は濾過することです。

これらのことを踏まえると、木の特徴は成長、耐える、濾過という役割があります。

 

火は上に向かって燃え上がっていきます。そしてその炎は躍動感で溢れています。

これらのことを踏まえると火の特徴は熱、動きを躍動させます。

 

人間は代々、地面に種を蒔き、そこから収穫していました。

つまり、食べ物の源ということになります。

これらのことを踏まえると地の特徴は現象やその力をもたらします。

 

金属(金)は綺麗なもので常に新しい革新をもたらしてくれました。自由自在に形を変えることができ、新たに新しいものを創造することができます。

これらを踏まえると金の特徴は変化や新しく作り変えることになります。

  

水は通常、高いところから低いところへ流れていきます。

また熱を冷ます作用があり、水分として潤す機能もあります。

また火と反対に動きを落ち着かせます。

 

五行間の関係

相生(Generating, inter-promoting/促進)

中国語で相生(xiang sheng)とは英語で言うgenerating, inter-promotingなどになり、促進や、発達させるといった意味合いがあります。

 

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図の通り、火→土→金→水→木→火という順番に促通させます。

このどれか1つでも欠けたらこの関係性は成り立たず、全体に影響してしまいます

例えば、火が弱体化すると土を促通できずに土が弱ります。そうすると金を促通できずに弱っていき、、、といった具合で全体に波及していってしまいます。

反対にどれか1つでも強すぎても良くないので、バランスが重要になってきます。

 

 

相克(Controlling/コントロール、打ち勝つ)

相克(xiang kue)は英語で言うovercome, controlとなり、打ち勝つ、コントロールするといった意味になります。これは相生とは反対の役割を持ち、対象のものを抑制する役割があります。

 

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図のように、火→金→木→土→水→火という順番になります。

ここではコントロールする側とされる側に分かれます

必ずしもコントロールする側が強く、される側が弱くなる(反対もしかり)ことが同時に起こるわけではないので注意してください。

相生のところでお伝えしたように、ここでも1つが強すぎたり、また弱すぎたりするとバランスが崩れてしまいます。

コントロールする側が強くなりすぎることで、される側が弱くなってしまう状況のことを相乖(xiang cheng) (英=overacting)といいます。

反対に、コントロールされる側が強くなり過ぎて、する側を押しのけて弱くしてしまうことを相侮(xinag wu) (英=insulting,counteracting)といいます。 

 

 

五行と五臓六腑

今までお伝えしてきた五行は五臓(陰の内臓)と六腑(陽の内臓)深く関係があります。

心と小腸は火、肺と大腸は金、脾と胃は土、肝と胆嚢は木、腎と膀胱は水の臓なので、これらの関係性も五行論で説明がつきます。

三焦は六腑の1つですが、五行には属さないものになります。

 

五臓六腑の記事は後日投稿します。

 

気・血・津液と精

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気とは身体中をめぐるエネルギーのことで、呼吸や食事など様々な形で産生され、また消費されていきます。

この気を循環させるために必要なのが血であり、津液です。

また、この気の源になるのが精です。

今回はこの気・血・津液と精についてお伝えしていきます。

 

精とは

精とは生命の源であり、英語ではessenceと訳されます。

 

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精は先天の精、後天の精、腎の精の3つが存在します。

先天の精とは生まれながらに持っている精のことで、親から受け継がれた精です。この精が減ることがあっても増えることはありません。生まれながらに量が決まっている精になります。

反対に、後天の精とは生まれた後に得ることのできる精であり、増えることも減ることもあります。

これらの精は腎にて貯蔵され、腎の精と呼ばれます。

 

腎の精は腎の気の源であり、骨髄を産生し、生命の成長、発達、性に関わる機能に関わります。

この精は男性であれば8年単位、女性であれば7年単位で変化していくと言われております。

加齢によってこの腎の精が弱体化し、体が弱っていきます。いわゆる老化です。

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腎の気の産生ですが、腎の精が腎の陰の元になり、腎の陽によって加熱され、腎の気が産生されます。

言い換えれば、腎の精は腎の気を産生するために必要不可欠なものと言えます。

 

気とは

原気

原気とは全ての気のもととなるもので、最も重要な気です。

先天の気とも言われ、生まれながらにして持っている気のことで、全身を巡っています。

気の変形(特に宗気から真気への変形)に関わってきます。

また、この気は腎の気のもとにもなります。

 

谷気

後天の気の1つで、食べ物の気のことです。食事をすることでまず胃に食べ物が集められ、脾にて谷気が産生されます。

脾で産生された谷気は肺に運ばれ、宗気の原料となります。

また、血と津液の原料にもなります。

 

宗気

後天の気の1つです。宗気とは胸郭に存在し、肺と心を養っている気のことです。位置からもわかるように、肺と心の機能にも大きく影響してきます。

また、会話や声の強さをコントロールします。

原気からのエネルギーをもらって真気に変形します。

 

真気

後天の気の1つです。真気は宗気から変形したもので、菅気と衛気に分かれます。

菅気は体の内部に入り込み、津液と混じって体内に栄養を届けます。また、血に変形し、体内の恒常性を保つ役割を果たします。

それに対し衛気は体の外部に拡散し、皮膚と筋を巡り、外部からの病的要因(風、熱、寒、乾燥など)の侵入に対してはたらき、体を守ります。それに加え、体内の温度を暖かく保ったり、皮膚の保湿や筋に水分を与えたりする役割があります。ただし、夜になるに連れて、衛気も体内に徐々に入り込み、陰の臓器を守ります。衛気は肺によってコントロールされています。

 

中気

中気は三焦の中央部に存在し、胃と脾の気のことを示します。この気は食事によって胃と脾によって産生されます。

 

正気

正気とは主にxie気(=病原の気)と対立して体を守ります。xie気は陰陽バランスを崩す全ての要因のことで、感情や、環境によっても左右されます。これらの変化に対応しているのが正気になります。

 

衛気と正気は共に体を守るために大切な役割を果たしてくれます。異なる点は、対象物が異なるということでしょう。

衛星→外的からの侵入を防ぐ

正気→xie気に対して守る(体内外問わず) 

 

血とは

血と気は密接な関係があります。血は身体中を巡るもので、各組織や臓器などに栄養を与えます。これは西洋医学とほとんど同じ考え方です。

血における東洋医学の特徴としては精神も関わっているということです。つまり血の状態が感情に現れてくるということです。

 

気との関係ですが、「血は気の母」と言われています。

この理由として、血は気に栄養を与えているからです。血と気はお互いがお互いの存在なくしては機能を果たすことができなくなってしまいます。

反対に、気は血の産生に関わったり、血の舵取り係としての役割を果たします

上記の谷気は血の元となるため、血を産生するには気が必要になります。

舵取りというのは、血を動かしたり、同じ位置に保ったりすることです。

血が動きすぎると多量の出血が起きてしまうので、血の動きを制限します。この役割は脾の気が担っています。また、血の動きが悪くなりすぎるのも良くないので、気が血を押し流す役割を持っています。

 

血の産生方法ですが、2つあります。1つは谷気がまず肺に運ばれ、心臓にまで届けられます。心臓にて原気を触媒として血が産生されます。

もう1つの産生方法としては、菅気が津液のなかで血に変形することがあげられます。

 

津液とは

津液というのは血以外の液体のことで、津と液の2種類に分かれます。

津は液よりも サラサラとしていて、軽いので、体の上の部分(三焦の上部など)に移動します。また、体の外側に移動し、皮膚や筋に栄養を与え、汗や涙、唾などになって体外に出て行きます。主に肺にコントロールされています。

液の方は重く、少し粘度が高いものです。関節や骨、脳などを潤します。主に腎と脾によってコントロールされています。

津液は食べ物によって産生されます。産生された津液は純度の高いものと低いものに分かれます。純度の高いものは上の肺にまで運ばれ、低いものは下に行き、膀胱を通じて排出されます。

 

血との関係ですが、津液と血はお互いに液体のため、お互いがお互いに栄養を送ります。

気は血を同じ位置に保つように働くように、津液に対しても同様に働きます。また、津液を産生します。というのも、胃と脾において食事(谷気)から津液は産生されるからです。

反対に、津液は気に栄養を送ります。

 

今回は東洋医学の基礎の1つである気・血・津液と精についてお伝えしました。

今後のテーマを説明する際にこの知識が必要になってくるので、ぜひここにあることは最低限頭に入れておきたいですね。

 

関節の副運動

人間の関節はロボットのようにギクシャクは動きません。

人間のなめらかな動きは関節の副運動が役割の1つとして機能していると言っても過言ではありません。

では副運動とはどういった動きなのかお伝えしていきます。「movement motion」の画像検索結果

 

転がり

まずは転がりについてお伝えしていきます。

 

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転がりとは言葉の通りに骨が転がることを意味し、接地点が徐々に進行方向に移っていきます。

筋の収縮などによって行われます。

この転がりによって膝が屈曲したり肘を伸展することができます。

しかし、この転がりだけでは脱臼してしまいますよね?

脱臼せずに膝や肘の屈伸ができるのは転がりに加え同時に滑りが起こっているからなんです。

膝関節や肩関節といった肉眼で動きの見える関節ではほとんどこの動きが見られます。

 

 

 

滑り

次は滑りについてです。

 

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滑りとは図のように、接地している部分は変わらず骨の位置がずれることを意味します。

滑りも筋肉の収縮などによって行われますが、転がりと同時に生じることが多く、関節が正しく動くように調節されます。

そのため靭帯や関節包が関節の動きに関わることで生じることが多いです。

半関節といったほとんど動かない関節を除くとほとんど全ての関節で起こります。

 

軸回旋

続いて軸回旋についてです。

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軸回旋は接地面と骨の位置は変わらず、骨がその場で回旋することを意味します。

軸回旋も転がりや滑りと同様、これだけ起こるというよりも、他の副運動と複合的に起こります。

肩関節や股関節といった球関節で起こりやすい動きになります。

 

 

離開

次は離開についてです。

 

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離開は言葉通りで、接地面から骨が離れることです。

ただし、これは脱臼するという意味ではなく、あくまで関節内での動きになります。

これを制限するのは関節包や靭帯などがあります。

他動で離開させる場合もありますが、正常の動きの1つとして離開する場合もあります。

 

 

圧迫

最後は圧迫になります。

 

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圧迫も離開と同様、関節面を損傷させているわけではなく、関節内での動きになります。

ただ関節を動かすだけでは大きく圧迫の動きは起きませんが、荷重している状態などでは圧迫される関節はあります。

 

 

副運動の重要性

これらにあげた副運動は全て正常な動きであり、決して異常な動きではありません。

ただし、関節によってこれら5つの動きの中で起こりやすい動き、起こりにくい動きというものは存在します。

また、関節角度によってどの動きが優先的に行われているのかを把握する必要があります。

関節の動きを見る際、この動きを把握していないと正しく評価できません。

 

また、徒手療法を始めとする治療に関してもこの知識を用います。

というのも、本来副運動が行われるべき関節でなんらかの異常で正常な動きができなかった場合、副運動を促す手技などを行う場合があります。

その時に正常な副運動を把握していないといけません。

 

イヌリンのはたらき

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現在、人間にとって健康な栄養素の1つとして食物繊維が注目されています。

食物繊維とは胃の中で胃酸による加水分解や、小腸での吸収はされ図、大腸内のフローラによって発酵されます。

その中でも今回はイヌリンについてお伝えしていきたいと思います。

イヌリンとは食物繊維の1つで、約3000種類以上の植物に含まれています。

 それではイヌリンがどんなはたらきをするのかをまとめていきます。

 

食物繊維としてのはたらき

イヌリンは植物中に存在する貯蔵多糖で、β-(2-1)-d-フルクトシル結合によって結合されたフルクトース部分を有し、直鎖状に分子が結合しているために小腸での消化に耐性があります。

しかし、大腸で発酵されることができます。

というのも、イヌリンの約90%は結腸まで到達し*1、大腸に存在する細菌によって消化されるからです。

大腸にある最近によって短鎖脂肪酸に変換され、微生物のエサとなります。

また、この難消化性の働きによってカロリーも低くなっています(1.5kcal/g)。

 

食物繊維の持つ難消化性の成分は腸内の置いて浸透作用を及ぼし、水分を腸内に留めておく作用があります。この作用によって便秘が改善されていきます。イヌリンによって腸の動きが活発になることで便の量が13%増加したという報告もあります。

一方、少量の化合物は浸透圧に大きく影響し、過剰な水分を結腸に輸送してしまいます。これがソルビトールラクトロースがイヌリンよりも下剤作用が大きい理由です。

また、発酵することによってガスが産生されます。しかしイヌリンは化合物よりも発酵されるまでの時間が長いので、ガスの産生も少量で済みます。研究では1日約10gまでのイヌリンとオリゴ糖の摂取であれば、ガスの産生による腹部の膨張感などはないと報告されています*2。また、長期的な摂取においても1日5gまでであれば健康に被害はないことが報告されています。

 

 

カルシウム、マグネシウム、鉄分の吸収を高める

骨量の維持のために、十分なカルシウムの摂取と、高い吸収率が必要です。

カルシウムの1日の推奨食事摂取量は男性で800 mg /日、女性で800-1000 mg /日、マグネシウムは男性では350〜420 mg /日、女性では280〜320 mg /日です。

ミネラルは主に小腸の近位部で吸収され、ビタミンDが細胞基質のカルシウム結合タンパクと小腸上皮に多いカルシウム結合タンパク質であるカルビンジンD9Kを産生することによって、その機能を助けるはたらきをします。

さらにカルシウムの蓄積は腸の粘膜間にある接合部を通して受動的に行われます。この過程は不飽和性、用量依存性、ビタミンD非依存性であり、両方の腸にわたって行われます*3

しかし、発酵された物質はミネラルの主要な吸収部位を大腸に移行することで、カルシウム濃度を一定に保つことができます。

現在、多くの論文でイヌリンやオリゴ糖はミネラルの吸収を促すと示唆されています。

特にイヌリンとオリゴ糖を同時に摂取したほうがより効果が高いと言われています(約18%カルシウムの吸収率アップ)。

イヌリンが結腸で発酵し、短鎖脂肪酸有機物を産生することで腸内のpHが低下させることが1つの要因だと考えられています。腸内のpHが低下するとカルシウムが活性化され、吸収されやすくなります(bioavailabilityが向上し、受動拡散されやすくなる)。

また、ビタミンD受容体の機能を変え、カルビンジンD9Kを増加させることでイヌリンやオリゴ糖はカルシウム輸送を活性化させることができます。

ミネラルとして、もしくは他の成分と一緒に食事中に存在するカルシウムは消化される前にイオン化される必要があります。

 

ただし、これらの役割はイヌリンやオリゴ糖が直接影響しているというよりも、発酵することで産生される物質による影響が大きいと言われています。

また、イヌリンが直接影響するのは青年期の人や女性の方が多く、男性に対しては効果はあまり実証されていません。

 

まとめ
・イヌリン、オリゴ糖ビタミンDはミネラルの吸収を助ける
・イヌリンとオリゴ糖は同時に摂取したほうが効率的
・イヌリンは腸内で発酵されることにより機能する

 

近年の研究では、鉄分が不足している場合にのみ、イヌリンが鉄分の吸収を促していることがわかってきました。

貧血の豚を対象にした実験では、血中のHBの値が約4%改善したと報告されています。

まだ人間を対象とした研究は少ないので、今後の知見を待ちましょう。

 

 

プレバイオティクスとしてのはたらき

プレバイオティクスというのは、難消化性で、腸内細菌の餌になり、腸内フローラのバランスを整え、健康を増進させる成分のことを指します。そのため、カルシウムや骨内のミネラル含有量を増加させ、腸内で産生するガスを減らす作用があります。

イヌリンはこれらのプレバイオティクスとしてのはたらきだけでなく、脂質と糖分の吸収を約12%抑えるはたらきがあります。

短鎖イヌリンは腸の近位部にて消化され、長鎖イヌリンは遠位部にて消化されるので、両者を混合して摂取することでプレバイオティクスとしての効果が向上することが示唆されています。さらにその割合は1:1が最も効果が高いと言われています。

 

 

 

脂質や糖質の代用

イヌリンは脂質のなめらかとした食感や糖質の甘さを代用することができます。

脂質のなめらかとした食感には主に長鎖イヌリンが用いられます。

例えば、低脂肪のヨーグルトに長鎖イヌリンを混ぜて食べることで、食感としては通常のヨーグルトに近いものになります。

イヌリンを用いた食事を作る場合、ヨーグルトやカスタードや、お肉のソースに用いられることが多いです。

一方、糖質への代用は短鎖イヌリンが用いられます。

甘味の濃度としてはスクロース人工甘味料)の約35%と言われています。

ただ、そこまで強い甘味ではないので、あくまでダイエット食品や甘さやカロリー控えめの食品に対して用いられます。

 

 

 

増量期のGVT(German Volume Training)

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GVTとは?

German Volume Training(以下:GVT)とはドイツで考案されたトレーニング方法で、

以下の方法で行います。

 

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ちなみにGVTは化学的負荷による筋肥大を目的とするトレーニンです。

この方法のポイントとしては、

・重さを一定にする

・重さが約60%1RMと軽め

・セット数が多い

ということが特徴です。

 

GVTとメリットとデメリット

 

近年、筋肥大には重量だけでなく、重量×回数=総負荷量が重要という論文が数多くみられます。

そのため、GVTはそう負荷量は高くなるため、筋肥大に対しては理にかなっているトレーニングと言えるでしょう。

 

それでは一般的な80%1RMの重さで10回×3セットの方法と何が異なるのでしょうか?

GVTのメリットとしては

メリット

・重量が軽いので、フォームを意識することができる

・通常とは異なる刺激を筋に与えることができる

・遅筋の割合が多い筋に対してはより効果的

といったことが挙げられます。

 

一般的な筋肥大のメニューよりも軽い重量を扱うので、フォームをより意識した状態でトレーニングができます。

さらに、セット間においてもフォームの違いの大きさが小さくなります。

というのも、80%1RMの重さで行うと、1セット目と3セット目ではフォームが少しずつ崩れていきます。しかし、GVTではもともとが軽めの重量を扱っているので、そういったフォームの崩れを最小限に抑えることができます。

 

また、最初にお伝えしましたが、GVTは筋に化学的負荷を与えるトレーニングです。

そのため、一般的なトレーニングと異なる負荷の種類になります。

レーニング初心者であれば変わりませんが、上級者になってくると同じトレーニングばかり行っても、負荷に対して筋が慣れてきてしまって効果が薄くなってしまいます。

そこでGVTを組み合わせることで効果的なトレーニングを行うことができます。

 

筋には羽状筋や紡錘筋などの種類があり、速筋と遅筋の割合が異なります。

速筋の割合が多い筋のトレーニングでは重量は重めの方が効果があり、反対に遅筋の割合が多い筋のトレーニングでは重量は軽めの方が効果が高いと言われています。

そのため、遅筋が多い上腕二頭筋などにはより効果的であると言えます。

 

反対にGVTのデメリットは、

デメリット

・時間がかかる

・減量期に行うことが難しい

・速筋の割合が多い筋に対しては効果的ではない

 

当たり前かもしれませんが、10セット行うということで時間はかかります。

時間との兼ね合いを考慮して行う必要がありそうです。

 

10セット行うということで、そう負荷量が大きくなります。

そのため、解糖系のエネルギー、つまり筋グリコーゲンの消費は大きくなります。

そのため、減量期やケトジェニックを行なっている間は増量期よりもトレーニング量は相対的に減ってしまうので、GVTは中々難しくなってきます。

ボディビルダーの中でもGVTは増量期に行う人が多いようです。

 

GVTの最新エビデンス

GVTのエビデンスですが、実は10セットもいらないのではないかという論文が出てきています(以下参照)。

・Effects of a Modified German Volume Training Program on Musc... : The Journal of Strength & Conditioning Research

・Sports | Free Full-Text | Effects of a 12-Week Modified German Volume Training Program on Muscle Strength and Hypertrophy—A Pilot Study

内容は簡単にいうと、5セット以上行っても筋肥大に関する効果は変わらないというもの。

理由はトレーニング量が多すぎるという理由でした。

しかし、この論文や他の論文もよく読んでみると、GVTのトレーニング以外にも、同じ筋に対して他のトレーニングを行なっている研究がほとんどでした。

 

つまり、同じ日に他のトレーニングを掛け合わせてGVTを行う場合は10セットは多すぎるのではないかということになります。

 

この点に関しては確かに私も同意します。

GVTはうまく使うと効果的ですが、時期や他のトレーニングとの組み合わせ次第ではオーバートレーニングや非効率的なトレーニングになる可能性があるので、注意していきたいものです。