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股関節のスペシャルテスト集②

                           「hip joint diagnosis」の画像検索結果

続いて股関節のスペシャルテスト集の第2弾に行きたいと思います。股関節の評価は治療も兼ねている主義も多いので、効率よく評価から治療まで行いたいところです。

 

 

Patellar Pubic Percussion Test(膝蓋骨恥骨打診テスト) 

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目的:股関節または大腿骨骨折の有無を疑う(画像撮影が必要かどうか

患者の開始姿勢:背臥位にて行う

セラピストの開始姿勢:患者の横に位置し、膝蓋骨と股関節の間の位置に立つ。

セラピストの手:聴診器を患者の恥骨結合に当てる

動作:恥骨結合に当てた聴診器を聴診しながら、膝蓋骨を叩く。これは左右両方の膝蓋骨に対して行う。

陽性:左右で比較して、膝蓋骨を叩く時の音が小さければ陽性。小さい側の骨折を疑う。

Note:

カッパ係数:-

Sensitivity 感度:96%

Specificity 特異度:86%

 

 

Hip long axis distraction test and manipulation(股関節長軸方向離開テストおよびマニピュレーション) 

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目的:股関節の関節包の柔軟性評価およびモビライゼーション

患者の開始姿勢:背臥位で、ベルトなどで骨盤を固定する

セラピストの開始姿勢:患者の足元に立つ

セラピストの手:両手で下腿遠位〜足関節のあたりを把持する

動作:まず膝関節は完全伸展位のままで股関節の安静肢位(屈曲30°、外転30°)に持っていく。そのまま長軸方向に牽引する。左右差を比較する。

陽性:離開が十分にできなかったら陽性。

Note:陽性の場合、マニピュレーションを行うことも選択肢の1つとなる。変形性股関節症の方は牽引をすると症状が和らぐことがある。

カッパ係数:-

Sensitivity 感度:-%

Specificity 特異度:-%

 

 

Inferior glide accessory hip motion test and manipulation(股関節尾側滑りテストおよびマニピュレーション)

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目的:股関節の関節包の柔軟性(尾側方向)評価およびモビライゼーション

患者の開始姿勢:背臥位にて検側の下肢をセラピストの方にかける

セラピストの開始姿勢:患者の横に位置し、ベッドに座る

セラピストの手:両手で大腿骨前面近位部を把持する

動作:患者の下肢をセラピストの肩にかけながら把持している両手で尾側方向に股関節を牽引する。また、患者の股関節を内外旋した状態でも同様に尾側に牽引して行う。左右差を比較する。

陽性:牽引が十分にできなかったら陽性。

Note:陽性の場合、マニピュレーションを行うことも選択肢の1つとなる。変形性股関節症の方は牽引をすると症状が和らぐことがある。

カッパ係数:-

Sensitivity 感度:-%

Specificity 特異度:-%

 

 

Hip joint anterior glide test and manipulation(股関節腹側滑りテストおよびマニピュレーション)

 

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目的:股関節の関節包の柔軟性(腹側方向)評価およびモビライゼーション

患者の開始姿勢:腹臥位にて骨盤の下に枕などを敷く

セラピストの開始姿勢:患者の横に位置する

セラピストの手:尾側の手で、検側の大腿遠位前面を把持し頭側の手で、検側の骨頭を後面より抑える。

動作:尾側の手で、他動にて股関節伸展位に持っていく。この時膝関節は屈曲させるとやりやすい。更に、頭側の手で、前方に滑らせる。

陽性:滑りが十分にできなかったら陽性

Note:体格差によって尾側の手による股関節伸展位に把持することが困難な場合、枕などを用いても良い。股関節伸展に可動域制限が出ていた場合マニピュレーションを用いるが、その際はグレードⅢまで持っていくことが多い。別法として、検側の股関節を外旋位にさせて行うことも可能。この時に股関節を無理に伸展させなくても良い。

カッパ係数:-

Sensitivity 感度:-%

Specificity 特異度:-%

トレーニングを始める前の基礎知識

          「beginner workout」の画像検索結果

筋トレが最近ブームになりつつありますが、初心者の方にとって、どのくらいの重さでどのくらいの回数でやれば良いのか悩んだことのある人は少なくないと思います。

そこで今回は、トレーニングを始める方にとっての基礎知識をお伝えしていければと思います。

 

筋肉についての基礎知識

筋肥大

筋肥大とは文字通り、筋肉が大きく(太く)なることです。筋肥大を起こさせるには動きの中で、最も負荷の高いところで筋が伸張された方が効果は高まります。一方、筋の収縮の学習という観点では動きの中で最も負荷の高いところで筋が短縮位になっていた方がよい。筋肥大を目的とするのであれば、80%1RMの重さで3セット×10回が目安になります。

筋の負荷は物理的負荷と、化学的負荷が存在します。物理的負荷は高負荷によるトレーニングによって生じ、筋線維そのものに負荷をかけることで肥大するというメカニズムであり、化学的負荷は高回数によるパンプアップ(筋肉が熱くなる感覚)させることによって生じます。

 

最大筋力

最大筋力(筋力)とは、1度に発揮できる最大の力のことです。最大筋力を発揮するためには大脳の中枢神経系からのインパルスが必要になります。インパルスの減弱のため、数多くのセット数をこなすことができません。そのため、セット数の目安としては90%∼100%1RMで3~5セット×1~2回行うことが目安になります。このトレーニングでは筋に対する負荷というよりは神経系の働きに対して負荷を掛ける為、筋肥大や筋パワーの増大の効果は薄くなってきます。

 

筋パワー

筋パワーは力×スピードで表されます。しかし、人間の体では力を発揮することとスピードを発揮することは反比例の関係であり、その中で、パワーが最大となるのは約30%1RM(初心者:約20%1RM、上級者:約40∼50%1RM)と言われています。セット数の目安としては上記の重さで3セット×10回が最もエビデンスレベルが高いと言われています。

 

レーニングプログラム

ポーション・レプティション(21)

レーニングの方法のことで、回数を1セット7回とし、3セットを休みなく行うことで全部で21回行うことになるので重い物を扱いたくても10回はできないというようなときに用います。

各セットの内容は、例えば1セット目は全可動域にて行います。2セット目は最大伸張位から全可動域の真ん中まで行い、3セット目は全可動域の真ん中から最大短縮位まで行う、というように分けます。

 

ジャイアント・セット

レーニング方法のことで、同じ筋の中で異なる線維に対して行います。量は10回×3setで行います。例えば、三角筋であれば後部線維→中部線維→前部線維の順に行って行きます。3種類のトレーニングの中で、強度が異なるのであれば、強いものから行っていくようにします。ちなみに、ジャイアント・セットが3種類を行うのに対して2種類行うことをコンパウンド・セットと言います。

 

スーパー・セット法

コンパウンド・セットが同じ筋に対して2種類のトレーニングを実施するのに対して、拮抗筋の2種類に対して行います。例えば、上腕二頭筋上腕三頭筋を交互に行うといった感じです。

 

スロートレーニン

下記のトレーニングの順序で、3秒かけて動かして、3秒かけて戻すという方法になります。このとき、息も3秒かけて吐きながら動かし、3秒かけながら吸って戻すのが理想です。戻してから再び動かす時の切り返しの際、反動を使うと負担が大きいので、1度吐いてから動かすとゆっくり切り返すことができます。

セット数は3セットを目安に行います。理論的には、加圧トレーニング同様、化学的ストレスを加えることで、筋肥大が行われるというメカニズムになります。

 

ドロップ法

筋に対して物理的な負荷と化学的な負荷の両方を掛けたいときに用いる方法になります。80%1RMを6-10回、60%1RMを6-10回、40%1RMを6-10回の順番で休みなく行います。フリーウエイトの場合、重りの付け替えがあるため休息ができてしまうため、レッグエクステンションの様なマシンウエイトで行うのが好ましいと言えるでしょう。

 

いかがでしたか?色々な方法があるので、ご自身の体力と相談しながら無理のない範囲で行っていってください。もし心配であれば、お近くのパーソナルトレーナーの方に最初のうちはお願いするのもありかもしれません。

スポーツ選手の靴の選び方

       「ランニングシューズ」の画像検索結果

スポーツ選手にとって靴というのは非常に大事な道具の1つです。また、間違った靴を履いてしまっているがために下肢の障害等を引き起こしている選手も何人かいるのも事実です。そのため、靴の選択はこういった障害の予防・治療になります。そこで、今回は正しい靴の選び方をお伝えしていければと思います。

今日は靴の選び方についてお伝えしていきたいと思います。

 

靴ってどうやって選ぶの?

ほとんどのスポーツ選手は靴を履いて競技を行います。恐らくほとんどの選手は履き心地によって靴を選んでいるのではないでしょうか?

個人的な経験ですが、一部の選手がその履き心地が良いと思って買った靴がその選手にとって怪我を誘発しやすい靴を履いていることが多々ありました。勿論競技によっては特別な靴を使用するため、全ての競技に応用できるとは思いませんが、スポーツに限らず、医療者であれば靴の選び方を知る必要があるのではないでしょうか。履き心地が良いイコールその選手にとって良い靴とは限らないということがあるので、注意が必要です。

結論から言うと、

overpronation 過回内

足部内側部の落ち込みが激しいため、内側部を中心にクッション性ではなく、安定性のあるものを選ぶ

oversupination 過回外

踵への過負荷になりやすいので、クッション性のある靴を選ぶ

 

足関節の機能障害

足関節は走る際、蹴り出す役割があります。

しかし、足関節に機能障害があるとき、この蹴り出しがうまくいかず、足部を中心に様々な障害を引き起こしてしまう可能性が高くなります。

また足部は数多くの骨で構成されており、どの部分の機能が障害されてしまうのかによって治療法などが変わってくるので、しっかりと評価する必要があります。

走る際、足部は回内と回外を繰り返していきます。よくみる足底筋膜炎も回内型と回外型に分かれます。この回内と回外ですが、どの部分がどのくらい行われているのかを評価する必要があります。足部における回内と回外は主に距骨下関節、ショパール関節、リスフラン関節で行われます

回内では距骨が内転・底屈、下腿内旋、ショパール関節がhyper、立方骨滑車機能性低下がみられ、第1中足骨・内側楔状骨もしくは第2、3中足骨のストレス上昇、バニオン・骨折・たこのリスクが上昇することが考えられます。

回外では距骨が外転・背屈、下腿外旋、ショパール関節がhypo、立方骨滑車機能性低下がみられ、腓骨筋の負荷が上昇し、第1,5中足骨のストレス上昇、バニオン・骨折・たこのリスクが上昇することが考えられます。

 

靴の役割

靴の大まかな機能として、屈曲性、耐久性、グリップ性、軽量性、フィット性、通気性、安定性、衝撃緩衝の役割があります。屈曲性は靴の前足部、グリップ性はソール(アウター)、軽量性はソール(アウター)とアッパー(足背の布の部分)、フィット性と通気性はアッパー、安定性はミッドソール(ジャンク)、衝撃緩衝はミッドソール(踵)がこれらの役割を担っています。

 

インソール

靴のインソールはミッドソールという部分とアウトソールという部分に別れています。

ミッドソールの特徴として、シューズの底に位置し、素材としては重く密度が高いので、安定性は高く、クッション性が低いという特徴があります。ASICSなどが用いてるSPEVAなどは反発性の優れたソールになっています。

 

アウトソールは主にセパレートソール、フラットソール、プロパルションプレートの3種類存在します。セパレートソールとは、ソールが踵の部分で枝分かれをしているソールのことで、踵接地からつま先離地までの前後方向をしっかりとサポートする役割がありますが、反対に切り返しなどがしにくいという特徴があります。フラットソールはその反対で、ソールが枝分かれしていない分、足底のどの面でついても対応できる設計となっております。特徴もセパレートソールと逆になります。プロパルションプレートは上記の2つとは異なり、形状ではなく素材で分類されます。このソールの特徴は局所の曲がりを最低限に抑えることでグリップ性、安定性が増すという特徴があります。ただし、切り返しには不向きにはなります。

         「 ランニングシューズ 靴裏 レース用」の画像検索結果  フラットソール

         「 ランニングシューズ 靴裏 レース用」の画像検索結果  セパレートソール

 

ラスト

ラストとは踵〜つま先のカーブの形状のことを指します。これは大きく分けてカーブ、セミカーブ、ストレートに分かれます。カーブの特徴としては、軽量化されているものが多く、サポート性が低いレース用のイメージで設計されています。解剖学的・運動学的な説明をすると、カーブによって足部の接地から蹴り出しまでの過程で回内するように誘導されていきます(蹴り出しへの誘導)。そのため、overpronation(過回内)の人にはあまりお勧めできない靴になります。反対にストレートの特徴は、あまり軽量化されておらず、サポート性を重視している設計となっているため、練習用のイメージで製造されています。セミカーブはこれらの中間に位置します。

           「 ランニングシューズ 靴裏 レース用」の画像検索結果

 

シューズの選択

最後に靴の選び方ですが、基本的に足関節の機能になんらかの異常がある場合、overpronation(過回内)もしくはoversupination(過回外)が考えられます。

これらの症状がある人にとって適切な靴は全く異なって来ます。

 

まずはoverpronation(過回内)してしまう人にとって適切な靴です。

・第2、3中足骨にエクストラサポートがある

・前中足が幅広い

・横アーチの折れ曲がりが強すぎない

・後外側のクッションが良い

・ラストはストレート

・後内側〜中内側に硬い素材

・舟状骨にメーカーのラインや別素材が使われている

・アーチサポートがしっかりしている

過回内、いわゆる扁平足になりやすい人はこれらの特徴のある靴がおすすめです。とにかく、足部のアーチを潰したくないので、クッション性よりも安定性を重視したものを選びましょう。

 

続いてoversupination(過回外)してしまう人にとって適切な靴です

・後外側にクッション性の良い素材

・前内側部と前外側部のクッションが良い

・クッション性重視

過回外、いわゆるアーチ高の人は足部への衝撃が強いので、クッション性が優れたものを選ぶと良いです。逆にアーチが潰れる心配はないので、前足部のクッションも柔らかいものでも大丈夫です。

 

オランダで鍼灸師としての起業・開業について

現在、オランダではフリーランスビザへのハードルが低く、日本で鍼灸師の免許を取得された方が何名かオランダで起業・開業されています。そこで、オランダの鍼灸事情と競争に勝ち抜くにはどうすれば良いかを僕なりの考えのもとお伝えできればなと思います。

      「acupunctuur」の画像検索結果

 

オランダでの免許制度について

オランダでは厳密な鍼灸の免許というのはございません。 (下記の記事参照)

dog.training-univ.com

 

なので、中国人を中心とした自国で免許を取得した鍼灸師の方が数多くいます。

しかし、日本の免許で働くことは可能ではあるものの、施術は保険適応外になります。

反対に、オランダの主に理学療法士が行っているドライニードリング(鍼は日本の鍼が主に使われています)は保険適応内なのです。

オランダ人はあまり保険外にまでお金を支払うのを嫌がります。ましてや、得体のしれない外国人が、得体の知れない鍼を使って治療するというのであれば、なおさらです。

オランダ人からしても、ドライニードリングという保険適応内で治療が受けられるシステムがあるのに、わざわざ高いお金を払って鍼灸治療を受ける必要がありません。

 

 

ドライニードリングとは

ドライニードリングとは西洋医学(主にトリガーポイント)を元に行う鍼治療のことで、1週間前後の講習会を受ければ取得できる資格です。

※ただしオランダの医師または理学療法士の免許が必要です。

鍼灸を学んでいる方からしたら全然違うのかもしれませんが、患者さんからしたら鍼灸とドライニードリングの違いはわからないのです。

そして残念ながら、鍼灸よりもドライニードリングの方が知名度としては高いという現状があります。なぜなら、理学療法のクリニックで保険適応内で行われるため、そもそもの施術をされた方の数が多いからです。

 

鍼灸師として起業・開業し生き抜くためには

ドライニードリングとの差をつける

前述したように、ドライニードリングとは知名度、保険による料金では鍼灸の方が劣ってしまいます。しかし、鍼灸にこれほどのマイナスの要素があるのに、僕が行っている実習先では多くの患者さんが来院されます。これは鍼灸がドライニードリングよりも優れていると認識されている証拠だと思います。

鍼灸クリニックに来院される患者さんは揃ってこう言います

「ドライニードリングは痛い」

ドライニードリングをyou tubeとかで検索するとわかると思うのですが、結構痛そうな刺し方をしています。ドライニードリングの目的がしっかりとトリガーポイントを中心にアプローチするやり方ですので、当たり前といえば当たり前ですが。

そのため、痛いのが嫌、でも鍼治療を受けたいという患者さんも中には結構いるのが実習をしていて率直な感想です。

そのため、鍼灸ドライニードリングより痛くないというイメージを広めることが大事かも知れません。

 

他の鍼灸師との差をつける

前述したように、日本人だけでなく、中国人の方もオランダで治療院を起業・開業しています。そのため、ドライニードリングとの差をつけるだけでは他の鍼灸師との差は変わらないので、今度は鍼灸師間との競争になります。まあこれは日本でも変わりませんが。

しかし、オランダにいる鍼灸師の多くはアムステルダムに治療院をおいています。なぜなら、アムステルダムではオランダ語が喋れなくても英語だけで働けるからです。

オランダ人の英語力には脱帽ですね。

しかし、田舎では勿論、アムステルダム内でもオランダ語が喋れる鍼灸師は限られてきます

オランダ人でも、例えば病院に行って治らなくて鍼灸を受けにきたという患者さんなんかは病院での出来事を説明します。そこでの医療の専門用語だったり、病院で言われたことを英語で正確に言えるのはオランダ人といえでも、あまり多くはありません。

鍼灸師オランダ語が全く分からないとそこで不信感を持ってしまい兼ねません。オランダの公用語はあくまでオランダ語なので。たとえ英語で説明できる患者さんでも、オランダ語で話しかけるとの、英語で話しかけるのとでは反応がやっぱり違うなと住んでいて思います。

なので、オランダ語を喋ることができるというのは1つ武器になるかも知れません。

 

いかがでしたか?日本の鍼灸の良い部分をオランダで広められると良いですね!
僕も日本の鍼灸には興味があるので、ぜひ情報などくれたら嬉しいです!

股関節のスペシャルテスト集①

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今回は股関節のスペシャルテストについてです。

 

 

Illiotibial Band Length Test 腸脛靭帯長テスト

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目的:腸脛靭帯の長さを評価

患者の開始姿勢:検査する足を上にして側臥位

セラピストの開始姿勢:患者の背部に立つ

セラピストの手:患者の頭側の手は腸骨稜(iliac crest)に当てる。尾側の手は検査する下肢の膝を把持する。

動作:検査する膝を90°屈曲し(別法では膝関節は完全伸展位)、他動にて股関節10°伸展、最大外転させる。この時の足から体幹を結ぶ線の角度を維持しながら他動にて股関節を内転させる(床に向かって降ろしていく)。

陽性:股関節の内転が10°以上行けば正常、行かなければ陽性。

Note:セラピストは自身の大腿で骨盤を抑えるとより安定して評価できる

カッパ係数:0.90(95%CI0.93, 0.98)、別法:0.91

Sensitivity 感度:-%

Specificity 特異度:-%

 

Flexion, Adduction, Internal Rotation (FADIR) Impingement Test 屈曲内転内旋テスト

「Flexion, Adduction, Internal Rotation (FADIR) Impingement Test」の画像検索結果

目的:大腿骨頭と寛骨臼間(腹側・頭側)のインピンジメントによる疼痛、そして股関節唇損傷の病態を評価するため

患者の開始姿勢:背臥位

セラピストの開始姿勢:検側側に立つ

セラピストの手:検側の下肢の膝と足関節を支持する

動作:セラピストが他動にて股関節と膝関節を90°にする。股関節の90°屈曲を維持したまま、最大限他動にて内転・内旋させる。もし陰性であれば、股関節を最大屈曲位にして再度行う。

陽性:グローインの部分、臀部後方、股関節の側方に患者が訴えていた様な疼痛が生じれば陽性。

Note:研究に参加した患者は関節内になんらかの問題がある患者で、関節炎の方は含まれていません。

カッパ係数:0.58

Sensitivity 感度:78%

Specificity 特異度:10%

 

 

Hip Scour Test 股関節捻転テスト

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目的:股関節および股関節周りの組織を評価するため(変形性関節炎の評価)

患者の開始姿勢:背臥位

セラピストの開始姿勢:検側側に立つ

セラピストの手:両手にて検側の下肢を把持する

動作:まず、抵抗感を感じるまで検側の股関節を他動にて屈曲・内転させる。地面に対して垂直に負荷をかけながら、屈曲、外転と股関節を2回回す(時計回り)。陰性であれば、今度は大腿骨に対して長軸上に負荷をかけながら再度行う。

陽性:グローイン、股関節、大腿部、臀部に訴えていた疼痛が再現されれば陽性。

Note:以下の5つの評価のうち、4つ以上に当てはまったら変形性関節炎の可能性が91%になる。

1) スクワットを行うと症状が悪化する

2) このテストにてグローインもしくは股関節外側に疼痛が見られる

3) 自動での股関節屈曲によって股関節外側に疼痛が見られる

4) 自動での股関節伸展によって股関節に疼痛が見られる

5) 他動での股関節内旋が25°以下

カッパ係数:0.52(変形性関節炎に対して)

Sensitivity 感度:62%

Specificity 特異度:75%

 

 

Thomas Test トーマステスト

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目的:股関節屈筋群の筋長を評価するため

患者の開始姿勢:背臥位で膝が出るくらいまで尾側に下がる

セラピストの開始姿勢:下肢側(尾側)に立つ

セラピストの手:両手および胸で評価を行うための動作を行う

動作:開始肢位より他動にて両股関節を最大屈曲する。検側と反対側の下肢を支持し、検側の下肢をベッドに着くまでゆっくり降ろしてもらう。この肢位から同側の膝関節を90°屈曲する。ベッドに着かなかった場合、同側の股関節を外転する。

陽性:膝関節を屈曲したときに同側の股関節が屈曲したら大腿直筋の短縮を疑う。股関節を外転したときに下肢がベッドについた場合大腿筋膜張筋の短縮を疑う。外転しても変化がない場合は腸腰筋の短縮を疑う。

Note:念のために同側の膝関節を伸展してベッドに着くかを確認すると良い。着けば大腿直筋の短縮の可能性の方が高い。

カッパ係数:-

Sensitivity 感度:-%

Specificity 特異度:-%

 

 

Hip Passive Rotation Range of Motion Test (Supine) 股関節他動ROMテスト(背臥位)

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目的:背臥位での股関節の他動ROMを評価するため

患者の開始姿勢:背臥位

セラピストの開始姿勢:検側に立つ

セラピストの手:頭側の手は骨盤が動かないように検側のASISを母子と示指で把持する。尾側の手は患者の股関節を回旋できるように下から把持する。

動作:他動にて尾側の手を用いて股関節を内外旋させる。この時にend feelと疼痛の再現の有無を確認する。

陽性:ゴニオメーターなどでROMを測定することも可能

Note:しっかりと骨盤を抑えることができれば、end feelなどを感知しやすくなり、股関節ROM評価の質が上がる。

カッパ係数:-

Sensitivity 感度:-%

Specificity 特異度:-%

 

Hip Passive Rotation Range of Motion Test (Prone) 股関節他動ROMテスト(腹臥位)

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目的:腹臥位での股関節の他動ROMを評価するため

患者の開始姿勢:腹臥位、検側の膝関節を90°屈曲させ、反対側の股関節は30°外転させる。

セラピストの開始姿勢:患者の尾側に立つ

セラピストの手:ゴニオメーターを持っている手は内側(外側)の脛骨遠位1/3のところにメーターを当てる。反対側の手は脛骨を支持する。

動作:他動にて股関節を内外旋させ、メーターで測定する。

陽性:ROM測定なので、陽性はなし

Note:骨盤で代償すると、骨盤がベッドから浮き上がるような動きが見られる。股関節内旋35°以上行く場合、腰痛患者に対するマニピュレーションの適応基準の1つとなる。

カッパ係数:-

Sensitivity 感度:76%(股関節内旋が25°以下の場合の変形性関節炎の感度)→股関節捻転テスト参照

Specificity 特異度:61%(同上)

 

 続きはこちらです。

dog.training-univ.com

 

頚部痛に対する鍼灸の効果の持続性について

         「acupuncture howlong」の画像検索結果

 

今回は頚部痛に対する鍼灸の効果の持続性についての論文を読んでみたので、お伝えしたいと思います。

 

 

今回のポイント

慢性の頚部痛に対しては鍼灸が有効であるというエビデンスが多い

治療後3ヶ月を超えると鍼灸の効果は薄いと考えられる

 

 

まずは慢性期の頚部痛に対する論文です。

bmjopen.bmj.com

 

この論文はメタ分析を行った論文で、鍼灸の治療とダミー針を比較したRandomised controlled trials (RCTs)を集めて比較した論文になります。

 

続いて集めた論文の主な研究方法ですが、

被験者は3ヶ月以内に慢性的な頚部痛と診断された患者としています。

内訳は器質的な障害、変形性頚椎症、筋筋膜性頚部痛が含まれています

 

治療方法は通常の鍼灸針治療、電気鍼灸、耳介鍼灸、頭蓋鍼灸が行われ、コントロール群として、ダミー針を用いました。

 

評価方法はVisual Analogue Scale (VAS)もしくはMcGrill(MPQ)質問用紙を用いて評価しています。

 

結果ですが、どの論文においても鍼灸治療によるVASやMPQの有意な減少がみられました

 

筆者は鍼灸の慢性期における頚部痛に対する効果を示唆しております。

 

以上簡単に慢性期の頚部痛に対する鍼灸の効果を研究した論文についてお伝えしました。上記の論文のように頚部痛に限らず、慢性期の疼痛に対しては鍼灸の効果を示唆している論文はすでに多くみられます。

 

しかし、鍼灸の治療効果がどのくらい続くのかが不明瞭であるのが現状です。

そこでもう1つ鍼灸の持続性について調査したものがあるので、お伝えしたいと思います。

 

journals.plos.org

 

この論文もメタ分析の論文で、頚部痛と腰部痛に対する鍼灸の持続性をみた論文になっております。

 

方法ですが、全体で658本の論文を調査し、最終的に75本の論文に絞り込みました。絞り込みの方法ですが、以下の条件にて論文を絞り込みました。

 

  1. ランダム化試験を行っているかどうか

  2. 治療方法は被験者に開示しないで行ったか(どの群かを被験者に知らせない)

  3. 被験者グループは最も重要な予後指標を表すベースラインに類似していたか

  4. 患者は介入に対してブラインドの状態で行ったか(どの治療方法を用いたかを非公開)

  5. 実験者は治療方法に対してブラインドの状態で行ったか

  6. 複数の介入を行なってないか

  7. カウントしなかった被験者の詳細をしっかりと開示しているか

  8. 各論文の結果を評価するタイミングが類似していたか

  9. 介入は治療を見越してのものであるか

  10. 各論文の結果は選択的に選んだものではないか

 

患者は17-90歳の頚部痛もしくは腰部痛を持っている合計11077名の患者です。

その中から急性期(診断後1ヶ月以内)、準急性期(1−3ヶ月後)、準慢性期(3−12ヶ月後)、慢性期(1年以上)の群にわけました。また、介入(治療)後1週間以内、3ヶ月以内、3−12ヶ月以内、12ヶ月以上

 

治療方法は通常の鍼灸、TENS、あん摩マッサージ、カッピング、中国式の運動療法を行っていました。コントロール群としてはダミー針を用いた鍼灸としています。

評価方法はVisual Analogue Scale (VAS)を用いて点数化しています。

 

この記事では鍼灸の部分にのみ焦点を当ててお伝えして行こうと思います。

鍼灸治療はダミー針による鍼灸と比べて急性期の被験者ではMD=-0.58(I2=46.3%)となっています。また、他の論文では準急性期での比較でMD=-0.72となっています。準慢性期以降では両者で差がなかったMD=-0.32(-0.68~0.04)ようです。

 

このことから、急性期と準急世期、つまり治療後3ヶ月以内は鍼灸の効果が持続するが、それを超えると両者に差がなくなってきていることがわかります。

 

ただ、急性期でのばらつきがI2=46.3%を示しており、統計学的なばらつきは認めないものの、そこまで信頼性が高くなく、人によるばらつきが大きいのではないかというのが個人的な意見です。

 

いかがでしたか?
鍼灸治療は遅かれ早かれ、治療の効果は薄まってきてしまうのが現状のようです。そのため、運動療法や習慣の改善など、持続できるものをプラスして鍼灸の効果をより高めることが重要だと思います。

腰部のスペシャルテスト集③

        「lumbar spine」の画像検索結果

 続いて腰部のスペシャルテスト第三弾です。

 

Sacroiliac Joint Posterior Gapping Test / Thigh Thrust Provocation Test 仙腸関節離開テスト/大腿誘発テスト

 

「Sacroiliac Joint Posterior Gapping Test / Thigh Thrust Provocation」の画像検索結果「cluster van der wurff assessment」の画像検索結果

目的:仙腸関節を離開し、疼痛の誘発を確認する

患者の開始姿勢:背臥位で頭を枕に乗せる

セラピストの開始姿勢:セラピストは患者の隣に立つ(検側と反対側)

セラピストの手:【離開テスト】患者に対して尾側の手、特に示指と中指で自分が立っている反対側(検側)のPSISの内側を触知する。頭側の手は、膝を支える。【誘発テスト】離開テストと違い、PSISを触診しない代わりに両手で膝を支える。

動作:【離開テスト】股関節を他動にて90°屈曲させ、そこから内転させる。その時点で反対側の手はしっかりとPSISを触診できているかを確認する。その後股関節をさらに屈曲内転方向に持っていく(反対側の肩に向かって)。この時疼痛の有無と仙腸関節の離開の有無を確認する。(上図)【誘発テスト】股関節の屈曲内転する姿勢は離開テストと同じ。そこから、両手で股関節を大腿骨軸上に圧迫をする。(下図)

陽性:仙腸関節が離開し、仙腸関節での疼痛が誘発できたら陽性

Note:-

カッパ係数:0.88

Sensitivity 感度:36%

Specificity 特異度:50%

 

 

Gaenslen’s Provocation Sacroiliac Joint Test「gaenslen test」の画像検索結果

目的:疼痛を誘発し、仙腸関節の反応性を評価する

患者の開始姿勢:背臥位で頭を枕に乗せる

セラピストの開始姿勢:セラピストは患者の隣に立つ

セラピストの手:検側の膝を支える

動作:片側の股関節を最大限他動にて屈曲させる。この時浮いてくる反対側の下肢は伸ばしたままで抑える。もし患者の股関節屈曲の可動域が大きく、反対側の下肢が浮いて来ない場合はベッドの端に寄り、片側の下肢をベッドから出し、股関節を他動にて伸展する。

陽性:仙腸関節付近に疼痛が誘発したら陽性

Note:疼痛の原因としては同側の仙腸関節、股関節の病変、L4神経根の障害によって生じる。

カッパ係数:0.72

Sensitivity 感度:71-77%

Specificity 特異度:26-50%

 

 

Sacral Thrust Provocation Sacroiliac Joint Test「Sacral Thrust Provocation Sacroiliac Joint Test」の画像検索結果

目的:疼痛を誘発し、仙腸関節の反応性を評価する

患者の開始姿勢:腹臥位で骨盤の下に枕を入れる

セラピストの開始姿勢:セラピストは患者の隣に立つ(どちら側でも良い)

セラピストの手:どちらか一側の手根骨〜手掌で仙骨に起き、もう片方の手で支持する。

動作:置いてある手で、仙骨を尾前方に約10秒かけて押していく

陽性:仙腸関節付近に疼痛が誘発したら陽性

Note:患者の服装によってこのテストの信頼性が大きく変わってくる。

カッパ係数:0.56

Sensitivity 感度:-%

Specificity 特異度:-%

 

 

Flexion, Abduction, and External Rotation (Patrick or FABER) Test パトリックテスト

 

「patrick Test」の画像検索結果

目的:このテストは仙腸関節のモビリティをチェックするためだけでなく、股関節のモビリティも評価する

患者の開始姿勢:背臥位にて非検側の下肢は伸ばしたまま、検側の下肢はあぐらを描くように股関節を屈曲外転外旋させて、非検側の膝に下腿がくるようにする。

セラピストの開始姿勢:患者の隣に立つ

セラピストの手:一側の手は非検側のASISに、もう一側の手は検側の膝内側に当てる

動作:膝に置いてある手で検側の膝を地面方向に押していく

陽性:臀部(仙腸関節付近)またはグローインの部分に疼痛が誘発されれば陽性

Note:左右差で柔軟性の差を比較することが重要である。また、下腿と水平線がなす角度で、検査肢位での外旋角度を測定し、60°以下であれば股関節関節炎の可能性を示唆する(下記の感度、特異度はその率を示す)。

カッパ係数:0.62

Sensitivity 感度:57%

Specificity 特異度:18-71%(論文によって幅が広いため、参考にならない可能性が高い)