二刀流トレーナーの海外医科学図書館

二刀流【メディカル(診断・治療・リハビリ)とストレングス(トレーニング・栄養)】に渡るジェネラリストへ

頸部のスクリーニング

f:id:dogknt:20200114011601p:plain

今回は頸部のスクリーニングについてお伝えしていきたいと思います。

頸部痛にはグレードI〜Ⅳまであり、オランダ理学療法士協会のガイドラインが示すものではグレードⅣがRed Flagとなり、患者さんを医師に送る必要があります。

 

 

グレードの分類

グレードI

首の痛みと、主要な構造病理を示唆する兆候や症状がなく、日常生活の活動への影響がないか、わずかな干渉を伴うもの

グレードII

首の痛みと、主要な構造的病理を示す兆候や症状のないが、日常の活動に大きく影響するもの

グレードIII

首の痛みと、主要な構造病理を示す兆候または症状はないが、腱反射の低下、筋肉の衰弱、または上肢の感覚障害(知覚鈍麻または知覚過敏)などの頸椎椎間板ヘルニアまたは脊髄狭窄によって引き起こされる可能性のある神経学的症状を伴うもの

グレードIV

深刻な構造病理を示す兆候または症状を伴う首の痛み。主要な構造病理には骨折、脊椎脱臼、脊髄損傷、感染、新生物、または炎症性関節症を含む全身性疾患を指します

 

Red Flag

最初の診察では、症状とRed Flagのパターンに基づいて、理学療法士重度の病態(グレードIVの首の痛み)を除外しなければなりません。グレードIVの首の痛みが除外できたら、理学療法士はグレードI、II、およびIIIの首の痛みを区別し、それに応じて治療する必要があります。


特定の深刻な病態を示唆するRed Flag(グレードIVの首の痛み)

骨折

高齢、外傷の既往歴、ステロイドの使用、骨粗鬆症(既往歴も含む)

頸動脈機能障害

めまい、複視、吐き気、嘔吐、手足の脱力などの脳血管症状

脊髄または頸部ミオパシーの損傷

感覚障害、四肢の筋力低下、腸および膀胱の機能障害など、腕および/または両足の広範な神経症状を含む神経症

感染症(尿路感染症または皮膚感染症を含む)

感染の症状と徴候(例:発熱、寝汗)、感染の危険因子(例:免疫抑制剤、開放創、静脈内薬物使用、感染症の既往歴)

腫瘍

癌の既往歴がある、4週間の治療後の症状の改善なし(最初グレードⅢと判断し治療した場合)、原因不明の体重減少、50歳を超える年齢、嚥下障害、頭痛、嘔吐

全身性疾患(帯状疱疹、強直性脊椎炎、炎症性関節炎、関節リウマチ)

頭痛、発熱、片側性皮膚発疹、熱痛、かゆみ

 

グレードⅢの症状

上記にあるようなRed Flagに引っかからず、理学療法士が治療介入すると判断した時、それぞれ治療プログラムが異なって来るので、まずはグレードⅠ、Ⅱ、Ⅲの識別を行わなければなりません。特にグレードⅡとⅢの識別はしっかりする必要があります。なぜなら、グレードⅢは神経症状がありますが、グレードⅡ以下ではないという違いがあるからです。

頸部神経根障害を示唆する1つ以上の兆候と症状(下記参照)があり、Spurlingのテストおよび/または牽引/伸延テストが陽性である場合、グレードIIIを示唆します。

症状

・知覚異常(異常な感覚:通常、チクチクする感覚または棘/針の感覚)などの腕の感覚症状、しびれ、触覚の低下
・頸部の可動範囲が制限されており、60度未満の回転または限られた痛みを伴う回転として定義されています
・放散痛
・腱反射、筋力低下、または感覚障害の軽減

グレードIIIの首の痛みの確認

Spurlingテストの陽性、および/またはトラクション/ディストラクションテストが陽性

グレードIIIの首の痛みの除外

上腕神経叢および正中神経伸長テスト(ULTT)

 

いかがでしたか?

頸部痛を訴える患者さんは少なくないので、正確にスクリーニングをする能力を身につける必要があります。 

腰部のスクリーニング

f:id:dogknt:20200110035022p:plain

 

今回は腰痛のスクリーニングについてお話ししたいと思います。

スクリーニングとは診断や評価と違い、症状の原因がどこにあるのかを詳細に追求するのではなく、まず、理学療法士が介入できるかどうか、つまり理学療法の範囲で治療できるかどうかの判断になります。

そのためこの手順は患者さんがきて最初に行います。

 

 

オランダ理学療法士協会のガイドラインでは以下の病気は、Red Flagといって医師に送らなければいけない基準となっております。

 

強直性脊椎炎

定義:脊椎の関節に長期にわたる炎症がある関節炎のタイプ。主に男性(特に若い)で発生し、完治には3ヶ月以上かかります。仙腸関節と脊椎に影響します。HLA B27抗原は、発症要因の1つです。

症状:
・安静時の痛み(夜の痛み)
・動くことで改善する
・脊椎のこわばり

まずは運動器に関連する疼痛かどうかを判断しなければなりません。

運動器に関連する疼痛であれば、安静時には軽快するはずですし、動いた方が疼痛が生じやすくなるはずです。しかし、強直性脊椎炎ではその反対に症状が出るので、問診などで、絞っていきたいところです。

 

骨粗鬆症による脊椎骨折

定義:骨粗鬆症によって引き起こされる骨折です。骨粗鬆症は、骨の劣化または骨量の減少により骨がより脆弱になる状態です。骨が弱いか、壊れやすいと、骨折のリスクが高くなります。危険因子は、ステロイドを使用した最近の骨折(この2年間)、60歳以上、低体重(60kg <または20BMI <)です。外傷によっても年齢に関係なく骨折も引き起こします。

症状:
棘突起の叩打痛
・胸椎の強い後彎
・極端な脊椎の長さの変化

どの場所もそうですが、骨折の疑いがある場合は医師に送る必要があります。

叩打痛などの理学療法初見でもそうですが、まずは問診などで必要な情報は聞き出すべきだと思います。

 

悪性腫瘍

定義:隣接する組織に侵入する可能性があり、周囲の組織に広がる可能性がある癌の特徴として最もよく知られています。良性腫瘍にはこれらの特性はありません。危険因子は50歳以上で、悪性腫瘍の病歴があります。

症状:
姿勢や動きに関係なく痛みが続く
夜間痛
・不快感
・原因不明の減量
・高BSE

 腫瘍による疼痛もしっかりと鑑別していきたいところです。前述しましたが、運動器による疼痛かどうかというのはしっかりと鑑別しなければならないので、動きに関係ない疼痛や夜間痛は特に注意して情報として得ていきたいところです。 

ちょっと一言

腫瘍もそうですが、個人的な経験として胃潰瘍といった消化器系の問題でも腰痛を訴える方がいます。そういった方がよく言うのが食事時に疼痛があるといった消化器系特有の症状があることです。これも運動器の問題では起こりえない症状なので、細かく問診していく必要があります

 

脊椎すべり症

定義:下部腰椎でよく起こる脊椎疾患。この疾患では、下部の椎骨がその上の椎骨に対して前方にずれ込みます。痛みを伴う状態ですが、ほとんどの場合治療可能です。危険因子は若い年齢(10代)が挙げられます。

症状:
・特異的な疼痛(スペシャルテストなどで鑑別)
棘突起の触診(感度87%、特異度60-88%)

これは他の疾患と違い運動器の疾患ではあるのですが、症状の程度が重いということでRed Flagに入ります。ここでは詳細は割愛しますが(腰部のスペシャルテスト集を参考)、腰椎を中心としたスペシャルテストも合わせてここは鑑別して行く必要があります。

 

いかがでしたか?患者さんが直接理学療法士の所へ来る国では本来理学療法士が治療する運動器の問題によるものではない場合も時々あります。これらをしっかりと鑑別していかないといけません。日本では馴染みのないスクリーニングですが、スポーツ現場だったり、パーソナルトレーニング中などで、誰かが腰痛を訴えて来た場合はすぐに評価に移るのではなく、こういったものを鑑別してから評価していく方が良いと思います。

ツイッターもやってるので、ぜひ交流しましょう!

足関節のスクリーニング

f:id:dogknt:20191226005222p:plain
 

スポーツ現場でよく起こる足関節捻挫。整形外科クリニックでもよく診る疾患の1つでもあります。

日本では必ず医師を通して行いますが、一部の海外の国では理学療法士が医師を介さずに直接介入します。

ただし、すべての疾患を診るというわけではなく、医師の判断を仰いだ方が良いまたは、画像所見での確認が必要な状態の場合は紹介状を書き、医師に患者さんを送ります。この理学療法士が介入すべきかどうかを判断する作業をスクリーニングと言います。

 

 

下記に基本的な足関節疾患を示します。

 

紹介は必要なし

・脛腓靭帯損傷

・距骨下関節不安定症(機能的不安定)

 
紹介が必要

・骨折

・足根洞症候群

・解離性骨軟骨炎

・瘢痕組織のインピンジメント

・骨棘を伴う骨軟骨病変

・変形性関節症


[紹介は必要なし]

脛腓靭帯損傷

定義:前部/後部下脛骨靭帯の破裂。それは、内反外傷、軸ストレスからの外反背屈外傷によって発生します。

症状:
・腓骨の大きな動き
・腓骨の過度の可動性が見られる。
・腹側癒合症の優しさ
・足首の背屈時の様々な痛み
背屈外旋ストレステスト(感度71%、特異度63%)、squeezeテスト(感度30%、特異度94%)、腓骨滑りテスト(感度75%、特異度88%)の陽性
・回復は一般的な足首の怪我よりも時間がかかります。


距骨下関節不安定症(機能的不安定性)

定義:距骨下(talocalcaneal)関節の機械的不安定性

症状:
・距骨下関節の圧痛
・機能不安定


[紹介が必要]

骨折

定義:骨が折れている状態。

症状:
・疼痛
・むくみ
・あざ
・患部周辺の肌の変色
・患部の骨または関節にすりむき感がある
開放骨折の場合、出血がある可能性があります
オタワ足首ルールの陽性。 (感度24-50%、特異度99%)

※オタワ足首ルールは感度が低いため、他の検査も併用する必要がありますが、迷ったら基本的に医師に送ります


足根洞症候群

定義:足根洞の腫張、基本的に慢性疾患に含まれるので、受傷直後に足根洞に腫張があってもこの疾患とは限らない。

症状:
・挫くクセがある
・足根洞の圧痛

・通常の前距腓靭帯損傷との鑑別をするため、距骨下関節の内外反の可動性をチェックする。内反テストで陽性かつ距骨下関節テストが陰性であれば足根洞症候群の可能性は低い

 

離断性骨軟骨炎

定義:軟骨またはその深部にある組織の病変

症状:
・断続的な痛み
・腫張
・クリック音(足関節底背屈時)
・中程度の滑膜炎

 

瘢痕組織のインピンジメント

定義:瘢痕組織のインピンジメント

症状:
・前部の痛みと腫れ
・背屈のROM制限
・中程度の滑膜炎

 

骨棘を伴う骨軟骨病変

定義:軟骨および/または骨棘の損傷は、外傷および圧迫骨折の後に発生するか、距骨および/または脛骨の関節症に関連します。インピンジメントは前内側および/または前外側骨の発生します。

症状:
・スティフネス
・腹側でのインピンジメントでは、背側および/または足底の屈曲を制限が見られる
・腫れが見られる。 (滑膜炎)

 

変形性関節症

定義:炎症のない関節の変性

症状:
・動き出しや硬直に伴う痛み
・活動時の痛み
・不安定感を伴う
・背屈でより痛みを伴う
・足底屈よりも背屈のROM制限が大きい

 

いかがでしたか?

理学療法士やトレーナーは確定診断はできませんが、病院に行かせた方が良いのか、よくないのかの判断材料になれば幸いです。

具体的にこの疾患だと断定できれば良いですが、それよりも大事なのは、医師に送るべきか否かを判断することだと思います。例えば、離断性骨軟骨炎と骨軟骨病変の判別は画像なしで判断するのは実際難しいですが、この疾患は両方とも病院に送る必要のある疾患ですので、それ以外の疾患との判別がより大事になってきます。

遅発性筋痛(DOMS)に対する鍼灸の効果

f:id:dogknt:20191204012639p:plain

 

今回は遅発性筋痛(Delayed-onset muscle soreness: DOMS)に対する鍼灸の効果について最新の所見をお伝えしていければと思います。

 

最新といっても、鍼灸のDOMSに対する効果を述べている最も新しい論文が2015年で、あまり研究が進んでいないように思いますが。

 

最初の論文は2008年のEffects of Acupuncture on Symptoms and Muscle Function in Delayed-Onset Muscle Sorenessになります。

 

これは2008年の論文で、非利き手側の肘の屈筋群のDOMSに対して鍼灸治療群、ダミー群、コントロール群に別れて介入した論文になります。

使用した針は0.30×30mmのものになり、刺した場所は陽陵泉、天府、曲池、血海、阿是穴(腱部分)になります。刺していた時間は15分になります。

治療はDOMSが発生直後、24時間後、48時間後に行われました。

それぞれの群に対してVAS(visual analogue scale)、MPT(mechanical pain threshold)、MIVF(maximum isometric voluntary force)の3項目を実験前、治療介入前後、DOMS発生後72時間に測定しました。

結果は、DOMS発生後72時間において、鍼灸群とその他2つの群との間でそれぞれVASが有意な差が見られました。しかし、MPTとMIVFにおいては各群と間で有意な差は見られませんでした

f:id:dogknt:20191204013757p:plain

 

まとめると、主観的な疼痛指標は軽減が期待できそうですが、実際に器質的な部分では軽減が見られなかったことから鍼灸のDOMSに対する効果はまだまだ検討が必要であると言えそうです。

 

 

続いての論文はNo Effect of Acupuncture in the Relief of Delayed-Onset Muscle Soreness: Results of a Randomized Controlled Trialという論文です。

 

この論文では計60名の被験者を対象に、上腕二頭筋のDOMSに対して鍼治療、レーザー治療、ダミー針、ダミー針とレーザー治療、コントロール群に別れて行われています。これらの治療はDOMSが発生直後、発生後24時間と48時間に行われました。使用した針は0.30×30mmのもので刺した場所は陽陵泉、天府、尺澤、合谷、曲池、血海、阿是穴(二頭筋と三角筋の交差している部分)になります。

 

それぞれの群に対してPPT(pressure pain threshold)、VAS、MIVFの3項目を実験前、DOMS発生後24時間、48時間、72時間に実施しました。

この論文ではこれらのすべての検査項目にて各群間の有意な差が見られませんでした。つまり、鍼灸治療によってDOMSの改善は見られなかったということです。

 

これらの2つの論文を踏まえてもDOMS に対する鍼灸の効果を示すエビデンスは少ないことがわかります。

 

とにかく今後の追加研究が必要であると言えるでしょう。

いかがでしたか?
DOMSに関する鍼灸の情報は少ないので、今後この知見が変わってくるかもしれませんね。

 

腰部のスペシャルテスト集⑤

f:id:dogknt:20191128181823p:plain

 

腰部のスペシャルテスト集、続いて第5弾です。

 

Lumbar Rotation Passive Accessory Intervertebral Motion Test: Spring Testing Through the Transverse Processes(腰椎他動椎間副運動テスト)

f:id:dogknt:20191128182012p:plain

目的:S1-L2までの腰椎の他動での回旋の動き(回旋)を評価

患者の開始姿勢:腹臥位にて下腹部〜骨盤の下に枕などを敷く

セラピストの開始姿勢:患者の横に立つ

セラピストの手:患者に対して尾側の手はセラピスト自身の体重を支えるためにテーブルにつく。頭側の手は第5中指骨の尺側で対象の腰椎の横突起に置く。

動作:対象の腰椎の横突起に置いてある手にて圧を加え、他動にて腰椎の回旋させる。

陽性:この時疼痛が誘発されれば陽性。

Note:S1-L5間の評価の時は横突起ではなくPSISに圧を加えると良い。ちなみにL3を圧迫した場合、L2-L3間の椎間を評価していることになる。

カッパ係数:-

Sensitivity 感度:-%

Specificity 特異度:-%

 

Central Posteroanterior Passive Accessory Intervertebral Motion Test(中央後前方他動副運動テスト)

f:id:dogknt:20191128182211p:plain

目的:このテストはPAIVMテスト同様、腰椎の他動での椎間の動き(滑り)を評価

患者の開始姿勢:腹臥位にて下腹部〜骨盤の下に枕などを敷く

セラピストの開始姿勢:患者の横に立つ

セラピストの手:どちらかの一方の手の豆状骨を対象の棘突起に当てる。前腕は回内回外中間位にし、肩が患者の真上にくるようにする。反対の手はその手を覆うように被せる。肘は軽く曲げる。

動作:基本的に被せてる手で圧を垂直に加えていく。約3回に分けて加えていくが、1回目は優しく徐々に加えていく。もし疼痛がなければ次はやや強めに圧を加える。

陽性:3回ほど行ってく中で疼痛が誘発されれば陽性。腰椎の弛緩(hyper)を疑う。

Note:疼痛の有無だけでなく、end feelなどもしっかり感じ取ること。

カッパ係数:0.38(hypoに対して)0.48(hyperに対して)

Sensitivity 感度:29%

Specificity 特異度:89% ※これらはLSI(腰椎不安定症)に対して

 

Interspinous Gap Change(棘突起間ギャップテスト)

f:id:dogknt:20191128182240p:plain
目的:腰椎不安定症の有無を評価する

患者の開始姿勢:ベッドからやや離れて立ち、そこから体幹屈曲をするようにベッドに両手を着く。

セラピストの開始姿勢:患者の横に立つ

セラピストの手:対象の上位、下位の棘突起を触知する

動作:屈曲状態の棘突起間の距離を把握する。患者に両手はベッドについたまま脊椎を伸展させる。この時の棘突起間の距離の変化を評価する

陽性:距離の変化がなければ陽性

Note:

カッパ係数:-

Sensitivity 感度:82%

Specificity 特異度:61%

 

Low midline sill sign/step off sign(正中段差兆候)

f:id:dogknt:20191128182316p:plain

目的:すべり症(spondylolisthesis)の有無を評価する

患者の開始姿勢:立位

セラピストの開始姿勢:患者の背側に立つ

セラピストの手:片手の親指で棘突起を触知する

動作:上から順に棘突起に沿うように触っていく

陽性:下位の棘突起が上位の棘突起に対して背側に飛び出ているように触知できたら陽性。

Note:

カッパ係数:-

Sensitivity 感度:60-88%

Specificity 特異度:87-100%

 

Cluster of Laslett | Sacroiliac Joint Pain Provocation(仙腸関節疼痛誘発テスト)

目的:仙腸関節に起因するかどうかを評価するテスト

 

f:id:dogknt:20191128182349p:plain

患者の開始姿勢:背臥位

セラピストの開始姿勢:患者の横に立つ

セラピストの手:両手を患者の両ASISに置く

動作:仙腸関節の関節面に平行に圧迫を徐々に加えていく

 

f:id:dogknt:20191128182404p:plain

患者の開始姿勢:背臥位で検側の股関節を約90°屈曲位

セラピストの開始姿勢:患者の横に立つ

セラピストの手:患者に対して尾側の手は患者の仙骨の下におき、頭側の手で検側の膝を把持する

動作:検側の股関節を長軸方向に圧迫する

 

f:id:dogknt:20191128182438p:plain

患者の開始姿勢:検側を上にした側臥位

セラピストの開始姿勢:患者の背側に立つ

セラピストの手:両手で患者の腸骨にのせる

動作:地面に対して垂直方向に腸骨を圧迫していく

 

f:id:dogknt:20191128182456p:plain

患者の開始姿勢:腹臥位

セラピストの開始姿勢:患者の横に立つ

セラピストの手:両手を患者の仙骨の上に置く

動作:仙骨を地面に対して垂直方向に圧を加える

 

陽性:①から順にテストを行い、疼痛が誘発されるテストが2つ以上になれば陽性。1つであれば疼痛が仙腸関節に起因する可能性は低く、0個であれば除外できる。

Note:

カッパ係数:-

Sensitivity 感度:88%

Specificity 特異度:78%

 

腰部のスペシャルテスト集④

               「lumbar region」の画像検索結果

 

腰部のスペシャルテスト集の第4弾です。

今回は腰椎の不安定性を評価するテストになります。

 

 

Lumbar Forward-Bending Passive Intervertebral Motion Test: Side-Lying with Single Leg Flexion(腰椎他動屈曲椎間テスト:側臥位での片側下肢屈曲)

f:id:dogknt:20191125220247p:plain

目的:他動での屈曲時のT12-L5までの脊椎間の動きを評価

患者の開始姿勢:側臥位で、下の足は股関節膝関節約30°屈曲位

セラピストの開始姿勢:患者の顔側に立つ

セラピストの手:尾側の手は上の下肢の足関節中心を把持し、頭側の手の中指で棘突起間を触知する

動作:他動にて上の下肢の股関節膝関節を90°屈曲位にする。この時、セラピストは尾側の膝をベッドにのせ、患者の上の下肢の膝はセラピストの大腿の上に乗せると良い。そこから他動にて上の下肢の股関節を屈曲させていく。この時、セラピストは自分の骨盤、体幹を用いて、患者の股関節を長軸方向に押し返すと、患者の骨盤回旋による代償を防ぐことができる。この股関節を屈曲させると腰椎も屈曲していくので、各セグメントで棘突起間の開きを確認する。

陽性:基本的に尾側の棘突起が頭側の棘突起から離れていくが、この移動幅が過度、もしくは小さかった場合陽性。または、股関節屈曲と腰椎がしっかりと連動していない場合も陽性。

Note:基本的にはL5-S1間からはじめ、頭側に移っていく。

カッパ係数:-

Sensitivity 感度:5%

Specificity 特異度:99% (これらは腰痛患者における腰椎不安定性に対するもの)

 

Lumbar Forward-Bending Passive Intervertebral Motion Test: Side-Lying with Bilateral Leg Flexion(腰椎他動屈曲椎間テスト:側臥位での両側下肢屈曲)

f:id:dogknt:20191125220516p:plain

目的:他動での屈曲時のT12-L5までの脊椎間の動きを評価

患者の開始姿勢:側臥位にて両下肢やや屈曲位

セラピストの開始姿勢:患者の顔側に立つ

セラピストの手:尾側の手は下の下肢の足関節中心を把持し、頭側の手の中指で棘突起間を触知する

動作:他動にて両下肢の股関節膝関節を90°屈曲位にする。この時、セラピストは尾側の膝をベッドにのせ、患者の両下肢の膝はセラピストの大腿の上に乗せると良い。あとは上記のテストと同様に股関節を他動にて動かしていき、腰椎の動きを確認する。

陽性:同上

Note:基本的にはL5-S1間からはじめ、頭側に移っていく。

カッパ係数:-

Sensitivity 感度:-%

Specificity 特異度:-%

 

Modification for Lumbar Backward-Bending Passive Intervertebral Motion Test(腰椎他動伸展椎間テスト)

f:id:dogknt:20191125220628p:plain

目的:他動での伸展時のT12-L5までの脊椎間の動きを評価

患者の開始姿勢:側臥位にて下の下肢を軽く屈曲させる

セラピストの開始姿勢:患者の顔側に立つ

セラピストの手:尾側の手は下の下肢の膝関節中心を把持し、頭側の手の中指で棘突起間を触知する

動作:膝関節を把持した手で他動にて股関節の伸展方向に持っていき、腰椎の伸展を誘導する。

陽性:股関節の動きと連動して棘突起間が狭まれば正常、棘突起間のスペースが変わらないと陽性

Note:本来であれば、股関節が完全伸展位に達する前に腰椎が伸展最終域に達する。基本的にはL5-S1間からはじめ、頭側に移っていく。

カッパ係数:

Sensitivity 感度:16%

Specificity 特異度:99%(これらは腰痛患者における腰椎不安定性に対するもの)

 

Lumbar Side Bending (Lateral Flexion) Passive Intervertebral Motion Test in Prone Position(腰椎他動側屈椎間テスト)

f:id:dogknt:20191125220744p:plain

目的:他動での側屈時のT12-L5までの脊椎間の動きを評価

患者の開始姿勢:腹臥位にて、下腹部〜骨盤の下に枕を置く

セラピストの開始姿勢:患者の横に立つ

セラピストの手:患者に対して尾側の手は立っている側の膝をしたから把持し、頭側の手の中指で棘突起間の側面を触知する

動作:把持している下肢を股関節外転させていく。

陽性:側面において、下位の棘突起が上位の棘突起に近づくように動くのを触知できたら正常。その動きが見られなかったら陽性

Note:基本的にはL5-S1間からはじめ、頭側に移っていく。別法として、側臥位で行う方法もある。この方法では、他動にて骨盤の側方挙上または下制させることで腰椎の側屈を誘導する。

カッパ係数:-

Sensitivity 感度:-%

Specificity 特異度:-%

 

Lumbar Rotation Passive Intervertebral Motion Test: Prone Lying with Rolling the Legs(腰椎他動回旋椎間テスト:腹臥位での下肢回旋)

f:id:dogknt:20191125221007p:plain

目的:他動での回旋時のT12-L5までの脊椎間の動きを評価

患者の開始姿勢:腹臥位にて、下腹部〜骨盤の下に枕を置く

セラピストの開始姿勢:患者の横に立つ

セラピストの手:患者に対して尾側の手は両足関節を把持し、頭側の手の中指で棘突起間の側面を触知する

動作:患者の膝関節を他動にて45-60°に屈曲させる。腰椎の右回旋を見る場合、下肢を患者に対して右側に回す。この時腰椎の棘突起を触知しておく

陽性:右回旋の場合、下位の棘突起が上位の棘突起に対して右に移動したら正常。この動きが見られなければ陽性。

Note:評価部位が上位にいくに従って下肢の回旋量は増えていく。別法(写真右)で、腹臥位で行う方法がある。骨盤(ASIS)を把持し、他動にて回旋させ腰椎の回旋を誘導する。

カッパ係数:

Sensitivity 感度:%

Specificity 特異度:%

 

続きはこちら

dog.training-univ.com

股関節のスペシャルテスト集②

                           「hip joint diagnosis」の画像検索結果

続いて股関節のスペシャルテスト集の第2弾に行きたいと思います。股関節の評価は治療も兼ねている主義も多いので、効率よく評価から治療まで行いたいところです。

 

 

Patellar Pubic Percussion Test(膝蓋骨恥骨打診テスト) 

f:id:dogknt:20191120213840p:plain

目的:股関節または大腿骨骨折の有無を疑う(画像撮影が必要かどうか

患者の開始姿勢:背臥位にて行う

セラピストの開始姿勢:患者の横に位置し、膝蓋骨と股関節の間の位置に立つ。

セラピストの手:聴診器を患者の恥骨結合に当てる

動作:恥骨結合に当てた聴診器を聴診しながら、膝蓋骨を叩く。これは左右両方の膝蓋骨に対して行う。

陽性:左右で比較して、膝蓋骨を叩く時の音が小さければ陽性。小さい側の骨折を疑う。

Note:

カッパ係数:-

Sensitivity 感度:96%

Specificity 特異度:86%

 

 

Hip long axis distraction test and manipulation(股関節長軸方向離開テストおよびマニピュレーション) 

f:id:dogknt:20191120213817p:plain

目的:股関節の関節包の柔軟性評価およびモビライゼーション

患者の開始姿勢:背臥位で、ベルトなどで骨盤を固定する

セラピストの開始姿勢:患者の足元に立つ

セラピストの手:両手で下腿遠位〜足関節のあたりを把持する

動作:まず膝関節は完全伸展位のままで股関節の安静肢位(屈曲30°、外転30°)に持っていく。そのまま長軸方向に牽引する。左右差を比較する。

陽性:離開が十分にできなかったら陽性。

Note:陽性の場合、マニピュレーションを行うことも選択肢の1つとなる。変形性股関節症の方は牽引をすると症状が和らぐことがある。

カッパ係数:-

Sensitivity 感度:-%

Specificity 特異度:-%

 

 

Inferior glide accessory hip motion test and manipulation(股関節尾側滑りテストおよびマニピュレーション)

f:id:dogknt:20191120213747p:plain

目的:股関節の関節包の柔軟性(尾側方向)評価およびモビライゼーション

患者の開始姿勢:背臥位にて検側の下肢をセラピストの方にかける

セラピストの開始姿勢:患者の横に位置し、ベッドに座る

セラピストの手:両手で大腿骨前面近位部を把持する

動作:患者の下肢をセラピストの肩にかけながら把持している両手で尾側方向に股関節を牽引する。また、患者の股関節を内外旋した状態でも同様に尾側に牽引して行う。左右差を比較する。

陽性:牽引が十分にできなかったら陽性。

Note:陽性の場合、マニピュレーションを行うことも選択肢の1つとなる。変形性股関節症の方は牽引をすると症状が和らぐことがある。

カッパ係数:-

Sensitivity 感度:-%

Specificity 特異度:-%

 

 

Hip joint anterior glide test and manipulation(股関節腹側滑りテストおよびマニピュレーション)

 

f:id:dogknt:20191120213559p:plain

目的:股関節の関節包の柔軟性(腹側方向)評価およびモビライゼーション

患者の開始姿勢:腹臥位にて骨盤の下に枕などを敷く

セラピストの開始姿勢:患者の横に位置する

セラピストの手:尾側の手で、検側の大腿遠位前面を把持し頭側の手で、検側の骨頭を後面より抑える。

動作:尾側の手で、他動にて股関節伸展位に持っていく。この時膝関節は屈曲させるとやりやすい。更に、頭側の手で、前方に滑らせる。

陽性:滑りが十分にできなかったら陽性

Note:体格差によって尾側の手による股関節伸展位に把持することが困難な場合、枕などを用いても良い。股関節伸展に可動域制限が出ていた場合マニピュレーションを用いるが、その際はグレードⅢまで持っていくことが多い。別法として、検側の股関節を外旋位にさせて行うことも可能。この時に股関節を無理に伸展させなくても良い。

カッパ係数:-

Sensitivity 感度:-%

Specificity 特異度:-%